400万PVお礼SS
第159話 サプライズ、準備中
いつもお読みいただきありがとうございます。
おかげ様でたくさんの方に読んでいただきました。
ちょっとした感謝の気持ちを込めて、急遽もふもふ達のこぼれ話を書きました。
お楽しみいただければ幸いです。
(ねぇねぇ、きょうもマリーとれんしゅう?)
(うん。そうだよ。お昼のあと、コハクちゃんとエリスちゃんといっしょに行こうね)
(うん!おやつもいっしょ?)
(もう、ルビーったら…。マリーのお手伝いが一番でしょ?)
(わかってるってばー)
(うふふ。いっぱいマリーのこと応援しようね。きっとその方がおやつも楽しいよ?)
(うん!いっぱいおうえんしていっぱい食べる!)
いつもと変わらず天真爛漫で食いしん坊なルビー。
そんなルビーと一緒に今日はマリーのところに行くまで一緒に遊ぶことにした。
最近のルビーのお気に入りは竹籠の中に入ってゴロゴロ回ること。
私は外から籠を転がしてあげる係で、私がゴロゴロ回してあげると、きゃっきゃと喜んでくれる。
私も籠をゴロゴロするのは楽しい。
でも、この間、お部屋の中にあるゴミを入れる籠でゴロゴロしてたらドーラさんに「めっ!」ってされちゃった。
ちゃんとごめんなさいしたら許してもらえたけど、もうしないようにしないとね。
だから今日はちゃんとお外でゴロゴロしようねって言って裏庭に行く。
裏のお庭に置いてあるたくさんのかごのうち、赤いひもが付いている籠が遊んでもいい籠。
それ以外はズン爺さんがお仕事で使うやつだからイタズラしちゃだめ。
ルビーはいつもダメな籠に入ろうとするから、ちゃんと注意してあげなきゃいけない。
(ズン爺さんに怒られちゃうよ?)
って言うと、
(…はーい)
ってちょっと不機嫌そうな顔になるけど、ちゃんと言うことを聞いてくれるからなんだかんだでルビーはおりこうさん。
しばらくゴロゴロして遊んでたら、シェリーが来て、
「お昼ですよ」
って教えてくれた。
((はーい!))
元気にお返事してお家に戻る。
お食事の部屋に入ると、バンとリーファに撫でてもった。
時々くすぐったいけど、気持ちいい。
リーファの手はすべすべで、バンの手はゴツゴツ。
でも、どっちも温かくて優しいから好き。
私も気持ちよかったけど、ルビーはもっと気持ちよかったのかな?
うとうとし始めちゃった。
(もうすぐご飯だよ)
って言って起こしてあげる。
そしたら、バンもリーファも、
「はっはっは」
って笑った。
今日のご飯はカツドン。
私たちの分はドーラさんが食べやすいようにって小さくしてくれてるの。
甘くてしょっぱくて、お肉がたくさん入っているから大好きなご飯。
前はバン達と違うごはんだったけど、最近は一緒。
きっと、バンもドーラさんも私たちがお肉もお野菜もちゃんと食べられるよってわかってくれたんだね。
お肉だけのご飯も大好きだったけど、みんなと一緒のご飯の方が美味しいから好き。
お腹いっぱいで眠くなっちゃったけど、これからマリーのお手伝いがあるから頑張って起きる。
ルビーは完全に眠そう。
仕方ないからおんぶしてあげると、私の上で寝ちゃった。
ルビーを起こさないように静かにコハクちゃんとエリスちゃんの所に向かう。
(きたよー)
って私が言うと、コハクちゃんが、
(はーい!)
ってお返事してくれた。
(今日はマリーどのくらいできるかな?)
(うーん…。昨日は自分で立てたよね?)
(うん)
(じゃぁもしかしたら今日は歩けるかもしれないね!)
私とコハクちゃんがそんなお話をしてたらルビーが起きて、
(ついた?)
って言った。
まだ寝ぼけてるんだね。
(まだだよ。ほら、ちゃんと起きないとマリーの応援できないよ?)
って言うけど、ルビーはまだちょっとぐずってる。
(もう、しょうがないわね…。ほら、乗せてあげるからちゃんと起きなさい)
見かねたエリスちゃんがそう言ってくれたら、
(のる!)
って言ってルビーが急に元気になった。
(…まったくもう)
エリスちゃんは不機嫌そうな感じでそう言うけど、ちゃんとルビーが乗りやすいように膝をついてくれる。
すっごく優しい子。
エリスちゃんのおかげですっかり目が覚めたルビーも一緒に4人で仲良くマリーのところに行く。
いつもみたいに、ローズが案内してくれてお庭に行くと、車いすっていうのに乗ったマリーがいた。
(マリー、来たよ!)
って元気にご挨拶すると、
「うふふ。いらっしゃい。今日もよろしくね」
ってマリーも笑顔で挨拶してくれる。
マリーの笑顔はとってもきれい。
みんなでマリーのそばまで行って順番に撫でてもらう。
マリーの手は柔らかくって、温かくって、とっても気持ちいい。
(今日もがんばろうね)
(いっぱいおうえんする!)
(大丈夫、マリーならできるよ)
(でも、無理はだめだからね)
「ええ。頑張るけど、無理はしないわ。いっぱい応援してね。きっと上手に歩けるようになるからね」
ってマリーはすっごく優しい目でそう言ってくれた。
まずは、ローズに手を取ってもらって立つ練習。
ちょっときつそうだけど、なんとか立てた。
マリー上手!
でも、ローズが手を放すとちょっとよろけそうになっちゃった。
ちょっとドキドキしちゃったけど、メルとローズがちゃんともう一度支えてくれて一安心。
少しだけ息が上がってるみたいだけど大丈夫かな?
私が心配そうに見てたら、
「うふふ」
って笑ってくれた。
(マリーがんばれ!)
ルビーがそう言うと、今度はコハクちゃんが、
(大丈夫、きっとできるよ!)
って励まして、エリスちゃんは、
(ゆっくりでいいのよ、ちゃんと見てるからね)
ってマリーに声を掛けてくれる。
「お嬢様、一度お座りになりましょう」
メルがそう言うけど、マリーは、
「ううん。もうちょっと」
って言って、少し息を整えると、
「ゆっくり手を放してちょうだい」
ってメルとローズに言った。
「かしこまりました。ゆっくり離しますね」
メルとローズがゆっくり離れていく。
そしたら、今度はよろけずにマリーが自分の足で立った。
(やった!)
みんな嬉しそう。
マリーはきつそうだけど、ちょっと笑ってる。
それからマリーはちょっと深呼吸をすると、頑張って足を動かした。
一歩。
ちゃんと見てたよ!
少しだけど、一歩足が前に動いたの。
マリーの足はちょっとふるえてるけど、今度は反対の足を動かそうとして頑張ってる。
(がんばれ!)
(あとちょっと!)
(いいよ、その調子!)
(大丈夫よ、見ててあげるから!)
ルビーも私も、コハクちゃんもエリスちゃんもドキドキしながらマリーに応援の声を掛けた。
もう一歩。
マリーの足が動く。
今度も成功!
でも、さっきよりもっときつそう。
そう思った時、マリーがよろけちゃった。
メルとローズが慌てて支えようとしたけど、ちょっと間に合わないかもって思った瞬間、コハクちゃんがマリーの前にスッっと入って支えてくれる。
エリスちゃんも後ろ回って転ばないように体を寄せてくれ支えてくれた。
ひやひやしたけど、間に合ったみたい。
(ありがとう!)
私は思わず2人にお礼を言っちゃう。
そしたら、マリーがいつもみたいに、
「うふふ」
って笑って、
「コハクちゃん、エリスちゃん、ルビーちゃんもサファイアちゃんもありがとう」
って言ってくれた。
「コハクちゃん、エリスちゃん、このままもう少し練習したいから、ちょっとだけ手を添えさせてね」
マリーがそう言うと、コハクちゃんもエリスちゃんも、
(いいよ!)
(いいわよ)
って言って、マリーの横についてくれる。
これなら安心だね。
マリーはちょっとだけ汗をかいてるみたいだけど、時々コハクちゃんとエリスちゃんに手をつきながら、10歩も歩いた。
すごい!
でもさすがに疲れちゃったのかな?
息を切らしてコハクちゃんにもたれかかったところでローズが持ってきてくれた車いすに座った。
「ふぅ…。今日はみんなのおかげでいっぱい歩けたわ。うふふ。もうちょっとね。もうちょっとでバン様をびっくりさせられるようになるわ」
そんな風に笑うマリーはちょっといたずらっ子の顔をしてる。
私は、こんな楽しいイタズラならきっと誰も「めっ!」ってしないよねって思って、
(楽しみだね!)
って言った。
そしたら、マリーもまた笑って、
「ええ、そうね」
って言ってくれる。
みんなも、同じように、
(たのしみ!)
(そうだね!)
(ええ。バンの驚く顔を見てやりましょう)
「ええ。きっと喜んでくださいます」
「はい。最高のイタズラですね!」
って言って笑った。
「さぁ、お嬢様、今日はこのくらいにいたしましょう」
ってメルが言ったから、この後はおやつの時間。
みんなも元気よく、
((((はーい!))))
ってお返事したら、さっそくルビーはマリーの膝の上に乗っちゃった。
「あらあら」
ってマリーは少し困ったような顔をするけど、とっても嬉しそう。
私たちのおやつはリンゴの…えっと、バンは「たるとたたん」って言ってたかな?ふつうのリンゴのパイとはちょっと違うので、コハクちゃんとエリスちゃんは生のリンゴ。
エリスちゃんは甘いけど、ちょっと酸っぱいから葉っぱの次に好きなんだって。
もちろんコハクちゃんは大好き。
みんなで仲良くお話しながら食べる。
(あのね。お祭りのあとからバン毎日楽しそうだよ。きっとマリーのおかげだね)
って教えてあげると、マリーはすっごく喜んでくれた。
そんなマリーの喜ぶ顔を見て私は、きっとバンもマリーのこの顔を見たらすっごく喜んでくれるんだろうな。
そんな風にみんなで笑って食べたらおやつがもっと美味しくて楽しくなるよね、思ってちょっと寂しくなっちゃった。
あれ?
でもこの練習は秘密の練習だからバンはいない方がいいのかな?
うーん…。
ちょっと、むずかしい。
そんなことを考えてたらリーファが来て、
「おや?今日はタルトタタンかい?」
ってうれしそうに言うから、そこからはリーファも一緒に食べる。
そしたら、やっぱりちょっとだけおやつが美味しくなったように思ったのは気のせいかな?
きっと気のせいじゃないよね。
美味しくて楽しいおやつのあと、みんなとお庭で遊んでたらルビーが寝ちゃったから、私たちも一緒にお昼寝。
なんだか楽しい夢を見たような気がしたけど、起きたら忘れちゃった。
でも残念な気持ちは無かったよ。
だって、明日もきっと楽しいからね!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます