第19話

ユナの体から血の気が引いていく。



シュンヤの寿命は残り一ヶ月?



そんなこと……あるはずない!!



だけど死神が嘘をつくとは思えなかった。



そんなことをしてもなんの意味もないんだから。



『それ……本当なの?』



『本当だ』



ユナの足が小刻みに震え始めた。



目の前に死神が現れたときだって、これほどの恐怖は感じなかったのに。



立っていられなくなってデスクに左手をついた。



『お願い……シュンヤがここに来ても、そのことを言わないで! もっと長生きでいるって、嘘を言って!』



自分はなにを言っているんだろう?



こんなこと死神に頼んだって叶うわけがないのに。



それでもユナは叫んだ。



『お願い! 本人が来たら、80歳まで生きると伝えて!!』



そうして、ユナはユウキの部屋でひとしきり泣いた。



ユウキがシュンヤに死神の話をしたのも、わざとだった。



あの死神がきっとシュンヤに希望を与えてくれる。



そう信じて……。

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