語り継がれる
年をとると同じ話を繰り返す。
晩年の祖母を見ていて、そのようなことを思った。
彼女はとても話し好きで親族と会った時は常に話し続けていたが、その話はほとんどすべて複数回聞いたものであった。
祖母は幼い頃から面倒を見てくれたし、様々なところにも連れて行ってくれた。
私のようなものでも、祖母にとっては、可愛い初孫である。
やれ勉強だ、やれ部活だと年を重ねるにつれて祖父母と過ごす時間は少なくなってくる。
となると可愛い孫との思い出は幼い頃に集中しがちであることはわかっている。
幼い孫の可愛さの中には、幼さゆえの失敗談というものも混じっている。
ところで、私が書き散らしたものを読んでいただいている方は薄々気づいているかもしれないが、私はホラとう◯ちの話ばかりしている。ちなみに、ホラーでもう◯ちの話が出てくるくらいの筋金入り(?)だ。
これは決して私だけが悪いのではない。
そういう環境で育ったからである。
亡くなった祖母の十八番にこんな話があった。
ある日、旅先で幼き私が放り出したブツはあまりにも大きく水洗レバーをいくらひねっても流れることがなかった。
万策尽きた私は祖母に助けを求めた。
詳しい描写は私の名誉のために省く。ただ、祖母もかなり苦労したらしく、彼女の心に私のブツはしっかりと刻み込まれたらしい。
結果として、幼き日の私が割り箸でほぐさないと流れぬくらい立派なう◯ちをしたことは黒石一族やカジンに周知されているのである。流されざる者レン、いい二つ名ということにしておいてほしい。
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