名付け

 小説を書いていると、ほぼ直面する問題。

 それが登場人物の名付けである。

 エヌ氏で済ませてしまうことができるのは才能なので、ぼんくらな私は必死に名前を考える。

 私の理想としては違和感をもたれないレベルだけれど、印象に残り、なおかつ実在人物とかぶらないというものだ。

 しかし、うまくいった試しがない。

 この名付けがうまい人はすごいなぁと尊敬してしまう。


 名付けの方法にはどこか別のところから借りてくるというのがある。

 ぱっと思いつくのは『ガダラの豚』か。あれの登場人物は民族誌からひっぱってきているはずだ。

 これは簡単そうで、相当難しいと思うし、使える状況が限定される。


 未完で終わった戦記物語はそこに出てくる傭兵隊長が私ですら著作を読んだことのある有名な思想家と同名で、兵士の一人が外国の大統領と同じ名前でどうにも面映ゆくなったものである。

 なぜにそこから名前を取ったというのだけがずっと頭にひっかかってしまって、どうしても物語の中に没入できなかった。

 

 本当に難しいね。

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