おいちゃんたちのファッションショー
自分のやっているスポーツでは、用具や防具は機能性以外にファッション性みたいなものもある。
流行りめいたものもあるので、本当にファッションである。
たとえば、袴は尻の端あたりに小さく目立たない程度に名前を入れるというのがオーソドックスだ。
でも、若者はかぶきたいわけである。
私の頃は袴の腰板に学校名と名前を刺繍するというのが流行った。
最近は大殿筋からハムストリングスあたりにでかでかと刺繍するのが流行っているらしい。
胸のあたりの飾り(雲飾りと蜀江というが私も実はよくわかっていない)も飾りをどこに置くか、文様を何色、どのようなきめ細かさにするかで流行りめいたものがあって、古いものは古いとわかる。
胴台の色も黒だけでなく、赤やら青やら生地胴やらまぁ色々だ。
強豪チームがこれをお揃いにしてるなどというのはよくあることだ。
地区対抗戦に出たときに別地区が同じので揃えてきたときには、「なにその本気度?」とあいた口が広がらなかった(そして格の違いを見せつけられてあえなく負けた)
おいちゃんたちは多くの場合、普段使い用とお出かけ用を持っている。
中には普段使いも数セット持っている着道楽(?)もいたりする。
そんなおいちゃんたちが集まると、ファッションショーがはじまる。
◯◯バン、アイゾメ、コンムサシ、テザシ、ミシン、◯ブザシなどと謎の用語とともに自慢しくるりと回転する姿はランウェイのモデル顔負けである。
普段はそこらのスーパーで買ってき(てもらっ)たような服を来ているおいちゃんたちにもおしゃれ心は残っているのである。
ちなみにおいちゃんたちは脱いでもおしゃれだ。
関節という関節にアクセサリー(別名サポーター)を巻いている。
ぱっつんぱっつんで尻の割れ目がはっきりわかるようなスパッツ着用のおいちゃんも結構いる(かなり効くらしい。履くの大変そうだけど)。おいちゃん、超セクシー。
え、私? 私はまだまだ若いですから、ファッションショーには加わりませんよ(毎回五つ以上装着しているサポーターを隠しながら)。
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