立蝮帖

カフェランチと丼飯

　我が家の愛犬、太郎丸（仮名）と次郎丸（仮名）は基本的に同じものを食べている。

　ただ、太郎丸（仮名）はフードが混ざると食欲が落ちる。

　だから、盛り付けはなるべく混ざらないように分けて綺麗に盛り付ける。さながら、おしゃれカフェのランチのようである。

　食べ方もちまちまと小分けにしてきれいに食べる。このおしゃれイケメンボウズが。

　次郎丸（仮名）はそこらへんを一切に気にしない。

　食べるときも「混ざっとるほうがうまいんじゃ」と言わんばかりにぐちゃぐちゃと食べている。こちらは丼ものをかきこむ体育会の学生である。

　この丼ものチャレンジャーは食後、太郎丸（仮名）の食べ残しチェックにも余念がない。少しでも残っていないかと主のいなくなったケージにあがりこみ皿をなめまわしている。太郎丸（仮名）がまだ食べているときはじとっとした目で見つめながら、彼がいなくなるのを今か今かと待ちわびている。

　ほぼ同じものを食べているのに、まったく印象が異なってくるのが不思議だ。

　そんなことを考えながら、お上品に食べる兄君とがっつく弟君を見ていると飽きない。