第7話異世界に来たんですけど4

包まれた光が消えると、俺は誰もいない祠の前に立っていた。

お願いだから誰か人がいる所にワープさせてくれないかな。

何でこう人がいない所に。

あれちょっと待てよ。

祠に何か文字の様な物が刻まれているが、この世界の文字は俺には読む事は出来ない。

だが文字の最後に何故か新聞紙を丸めた様な筒の絵が書いてあった。

まぁ何の事だが、さっぱり分からないが。


突然腹がこの世の終わりみたいに鳴り響いた。

そう言えばこの世界に来てまだ何も口にしていなかった。

やベー急にお腹がめちゃくちゃ空きだしたが、周りは山だらけで食べ物は………狩りでもするか。


しばらく山の中を散策していると、草むらの中からウサギの耳だけが見えた。

俺は藪を掻き分けて、接近するとバニーガールのコスプレをした女性がいた。


俺もその子もばつが悪そうに視線だけが交わし、固まっていた。

その空間をぶち壊すかの様にライフルの発砲音が、この山に響き渡った。

目の前のバニーガールは耳を抑えて、震えていた。


「あの~大丈夫?」

俺は優しく小声でバニーガールに話しかけた。

「…」

あれ、俺の言葉分からないか。もしかするとこの世界ではバーニーガールをした人をウサギだと思って食べるのか?

だとすると、さっきの発砲音も納得がいくし。


「た………い」

あれ、今喋った。

「助けて下さい」

間違いない。

このバーニーガール喋ったぞ。

もしかしてだけど、この世界のバニーガールは喋る設定なのか?

ただウサギだから食べれるとは思うんだけど。


先ほどよりも近い距離で発砲音がすると、バニーガールは俺に詰め寄ってきた。

「お願いします助けて下さい」

バーニーガールの胸が俺の身体に密着し、いつまでもこの感触を味わっていたい。

だがそんな事も考え無しに三人組の男の姿が俺の視界に入った。


「おい! そこのお前? この辺で女見なかったか?」

男も俺に気付き近寄ると唐突に質問してきた。

しかもこの男三人ともライフルだと思われる物を携帯していた。

「いや、見てないけど」

「そうか。急に質問して悪かったな」

男三人組は藪の中へと消えていった。


「おい、いったぞ」

バニーガールは反射的に俺の後ろへと身を屈めて隠れていた。

「ありがとうございます」

バーニーガールは本当に嬉しそうに満面の笑みを俺に見せて来た。

「あーせっかくこの世界でまともな人間と喋れたのに、勿体ない事しちまった」

愚痴をこぼしていたら、また腹の音が鳴り響いた。


「もしかしてお腹空いてるんですか?」

「腹が減りすぎて死にそうだよ」

「それだったらちょっと待って下さい」

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