第7話 タイムスリップ

「ツバキちゃん……、」

「あ、レノン。久しぶり。」


「うん、久しぶり……、」

「さっき、”オトの神様”が広場に集まれって言ってた」


「あ、そうなんだ、」


「だから、そろそろ行こう」

「うん……、」


「あのさ、レノンって、塾行ってる?」

「あ、まぁ、うん」


「通ってるっていうほど、ちゃんと行ってないけどね……、」


「そうなんだ、私もだよ」

「先生が怖いから、行けなくて。」


「そっか、先生、ね……、」


「そろそろ話を始めるぞ」

「は~い」


「3人に質問なんだが、」

「この前、”音楽のセカイ”について詳しく教えたとき、」

「ここのルールも説明したこと、覚えているか?」


「うん」

「CDに収録されるやつ、でしょ?」


「そうだ。」


「そのルールを、1年間、破らなければ、」

「好きな時代へ、タイムスリップできる。」


「……タイムスリップ、?」


「それってさ、」


「相手がルールを破っていても、自分が1年間ルールを破っていなければ、」

「タイムスリップ、できるんだよね?」


「もちろん、そうだ。」


「タイムスリップだけどさ、未来には行けるの?」

「まぁ、行けるだろう。」


「本当に未来にも行けるんだよね?」


「私はその事例を聞いたことがないだけで、あるかもしれないな。」


「もちろん、ないかもしれないが。」

「別に、無理して使わなくてもいいんだぞ?」


「使わないのなら相手にその効果を移してもいいんだからな」


「移せるもんなんだ」

「そりゃもう、ここはファンタジーのセカイだからな」


「音楽のセカイって、すごいんだね」

「そう感心してくれるのが一番ありがたい。」


「”オトの神様”は、ここを誰が作ったのか、知ってるの?」

「知らない。」

「え、主催者なのに」


「別に、そこまで関係ないだろ?」

「まあ……、」


「だから、今まで聞いてこなかった。」

「へぇ~、私だったら絶対聞くのに」


「そうか?」

「うん、気になったことはすぐに聞いちゃうタイプだからさ」


「なんか、カエデっぽい」

「そう?」


「うん」

「レノンは、ゆっくり聞いていくタイプな気がする」


「確かに」


「まあ、間違ってないかも……、?」

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