第4話 オトの神様

急な説明で、まだ戸惑っていた。

もう、帰ろうと思った。


そのとき――

「レノンちゃん」


「なんですか」

「ちょっと、お話したいなって」


「はい」

「さっきも言ったけど、私、カエデ。」


「レノンです」

「レノンちゃんは、もう帰るの?」

「はい。」


「ちょっと、頭の整理が追いつかなくって。」

「そう?」

「はい」


「私は、面白そうだなって思ったよ」


「ちょっと、っていうか、だいぶリスクはあるけど、」

「ここ、いろいろなものがあるみたいで」


「セカイ全体が音楽室になってるみたいなんだよね」


蓮音は、カエデの話を聞いた後、

カエデやツバキのCDプレイヤーを見た。


私のとは、違う。

全然、違う。


あれは、CDプレーヤーじゃない。

音楽プレーヤーだ。


レノンは、CDプレーヤー。

カエデのは、音楽プレーヤー。

ツバキのは、レコードプレーヤー。


みんな、確かに音楽の機械から来ているけれど、

種類が、違う。


だから、”オトの神様”は、「音楽の機械」と言っていたんだ。


不思議な言い方だな、と思っていた。

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