3-3
射撃訓練を行う生徒は既に旧生徒会によって選抜されたメンバー50人程度が集められてハンドガンとサブマシンガン、人によってはアサルトライフルをベースにして訓練が始められることになった。
ハンドガンは言うまでもなく携帯性に優れた形式だ。
反動制御による問題は一旦横に置いておくとして、そうすれば片手でも持てるし撃てる兵装だ。
両手でしっかりと反動制御すれば誰でも扱えるようになるほどに銃の中では一番身近と言えるタイプだ。
反面近距離での緊急用の兵装という扱いの面が強いため主力兵装としては向かない。
冒険者としてもやっていくことを考えると、今までの武器を持ちながら、ある程度の牽制目的での運用が好ましいと言えるだろう。
サブマシンガンはハンドガンを少し大きくした程度の物だが、連射能力に優れている。
中遠距離の射撃に関しては不向きとされるものではあるが、近距離であり物によってはハンドガンと同じ弾薬を使う銃もある。
そのため、反動制御がある意味ハンドガンの延長線上にある兵装ともいえるため、女性でも扱いやすい兵装と言えるだろう。
アサルトライフルはしっかりとした反動制御が必要になる反面、ハンドガンやサブマシンガンに比べるとサイズの大きい弾を使っている分威力が増す。
その分重くもなるのだが・・・
そのため携帯性という点ではハンドガンに比べると難ありと言ったところだが、威力に関しては大分上がることになる。
日本においても自衛隊や警察の機動隊などではアサルトライフルが運用されている。
また世界各国で見ても軍隊や警察の特殊部隊となるとアサルトライフルを運用している国は多い。
それだけに威力と携帯性とのバランスが取れた兵装と言えるだろう。
アサルトライフルの威力増強版としてバトルライフルと呼ばれるものがある。
アサルトライフルに比べても大口径の弾を使っているため威力は高い。
反面アサルトライフルに比べると反動制御が難しい点や、重量が重くなる点などを含めると、こちらの積極的な使用は現実的とは言えない。
そのためこちらはアサルトライフルに慣れた生徒が順次訓練に臨む予定となっている。
そして僕が選択したのはハンドガンとスナイパーライフルだ。
アサルトライフルがある程度の連射能力も考慮した兵装であるのに対して、
スナイパーライフルは遠距離での攻撃を主眼に置いており、連射はあまり考えられていない。
一部連射機構の付いたスナイパーライフルもあるが、他の物に比べて威力が落ちていたり、反動制御が難しくなる点など難点がそれ相応に用意されている代物だ。
そのため僕も例に漏れず単発式のスナイパーライフルを選択し訓練を行っている。
愛理達に至っても基本的にはハンドガンとサブマシンガンを使用する形をとっている。
一部サブマシンガンには単発で撃つ機構を備えた物もあるが、そもそもが単発で撃つことを想定したハンドガンと連射を想定したサブマシンガン。
いざ実戦で代用するにはリスクが大きいため、その選択は無しになった。
ちなみに例に漏れた物が4人ほどいる。
そのうち3人は、愛理、明美、涼音だ。
この3人は初めからハンドガンとアサルトライフルを使用しての訓練を行っている。
涼音に至っては元運動部として筋力が他のメンバーよりもあるため、バトルライフルを目指しているとのことだ・・・
なんと逞しいことやら・・
最後の一人は愛美だ。
こちらは言うまでもなく妊娠中の為である。
そのため愛美はハンドガンのみを訓練中。
それも積極的に戦うのではなく、あくまでも自衛目的でのみ。
自分だけがまともに訓練に参加できない環境を恨めしく思っている様子であったが、
ある意味、妊娠願望がある他のメンバーにとってみれば戦いの気配があるがゆえに迂闊に妊娠できない状態であるともいえるため、嫉妬の視線にさらされて以降その考えは引っ込ませることにしたようだ。
というか正直、妊娠させている側の僕が言えた義理ではないが、これ以上一度に妊娠させても僕自身が追い付かないので、少しペースを考えてほしい・・・
と思うが、おそらくこれも僕のエゴだろう。
ハーレムを容認したのならその覚悟もするべきなのだろうと、今更ながらに悟っている。
また僕たちの関係者兼信頼がある程度置ける存在という事で、ヒーレニカとレミリア、そしておまけでアリシアも参加している。
いずれも基本はハンドガンが主体だったが、例外があった。
まずレミリアだ。
意外と勝気が強いのか、レミリアに関してはアサルトライフルの練習をしている。
正直レミリアには戦わせる予定は一切ないのでサブマシンガン程度いいのでは?とも思っているが、そこは同じ年代でハーレムの中で一番不利だと悟っている様子。
ちなみにレミリアの中でリーチェは順番にすら数えられていない。
眼中に無しと言ったところだ・・・・・・・
そんな中一番おしとやかに見えたヒーレニカが一番予想外の主力兵装を訓練している。
散弾銃だ。
本来ならば、散弾銃は言うまでもなくゼロ距離~近距離が範囲となっており、広範囲に弾薬をまき散らすことで有名な兵装だ。
ヒーレニカもそれを選んだと思ったのだが、一番アグレッシブで特殊であった。
というのも、ヒーレニカは散弾銃にスラグ弾を込める形を取ったのだ。
スラグ弾は本来広範囲に銃弾が広がる散弾とは対局で、
単発式の物が多く、威力に優れた弾薬だ。
なぜそんな物騒なものを選んだのか聞いてみると
「重川とかいう男を次に見つけたら確実に葬るためです」
と満面の笑みで返された・・・・
こえーーーー・・・・
そして敵対人物ながら、哀れ・・・重川・・
そうして僕たちは未知の脅威に対して着々と準備を進めていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます