幕話-3
愛理・絵里奈・里美の3人は冒険者活動をまだ続けているが、頻度が減っているそうだ。
理由を聞くと、冒険者を続けているのにキメ細かい肌を維持しているのを貴族に知られたため、アロマオイルを使ったマッサージの店を非定期的ではある物の営業しているそうだ。
商人ギルドにも登録しており、むしろ商人ギルドのほうから営業日数を増やせないかと要請がきているとのことであるが、傍らでやっているだけなのでそちらを本業にするつもりはないとのことだ。
おかげで幻の美容店という噂が広まっており、こちらでも彼女たちに口利きをすることができるアルコーン公爵家は公国貴族の婦女子を味方につけており、公爵家としての発言権がさらに高まっているとのことである。
最後にヒーレニカであるが・・・
此方も愛理達に劣らないレベルでポーション店として大成功を収めている。
というのも彼女自身も僕とのスキル共有化により手軽に薬草を入手できるようになっており、それによりポーションを大量に作成しているとのことである。
もっとも作成しているポーションは回復系の物では無く、美容系と言うべきだろうか。
そういうものである。
まず胸を大きくする秘薬だが、同時に発情効果もあるため、かなり激しい夜を過ごしたい女性からは人気の商品となっているようだ。
また愛理達が時折経営しているマッサージ店にオイルを卸しているのも彼女である。
最近はポーションを作る過程を応用し、聖草を使ってポーションを作成することもあるらしく聖水などというとんでもないものを生み出しているとのことだ。
また花屋・・・というか薬草屋というべきなのだろうと最近になって気づいたが、
イソマリンという海藻が美容に良いらしく、初級ポーションはもちろん、中級や上級に組み合わせていくととてつもない美容効果を発揮するようだ。
それの注文数も徐々に増えているそうで。
高い評価を得ているようだ。
そして話は変わるが、アリシアと勇也君との間にも進展があった。
というのも、アリシアの体調が長期間にわたり優れない日が続いていた為、病院で検査を受けたところ、おめでたであったらしい。
これには僕たちも全員が驚いている状態だ。
いつの間にかアリシアと勇也君との距離が異様に近くなっていることは知ってはいたし、
このままいけば僕たちと同じように時間の問題にもなるだろうことは予想できてはいたのだが、ここまで早いものであるとは考えていなかったそうだ。
それに伴い、僕は勇也君たちとの共同生活にある程度の境界線づくりに入った。
具体的には隣が林だったので、そこを一部伐採し、屋敷ほどではないにしてもそこそこ大きな家を建てた。
最初は一軒家でいいかな?なんて思ったりしたものの、アリシアとて貴族の子女だ。
それゆえに子供たくさん産むことを望まれているであろう。
そういった理由を加味して今後も子供が増えるだろう天神君には大きめの家をプレゼントした。
「頑張ってね?」といいながらお披露目した時はなぜか絶望したかのような顔をしていたが・・・なにか問題でもあるのだろうか???
余談ではあるが、身近なところで妊娠が発覚したため、愛美や愛理をはじめとしたハーレムメンバーによる誘惑・・・を通り越して最早逆レイプと言わんばかりの行為については更に激しさを増している状態である。
そういう環境下に変化しつつある僕たちの生活ではあるが、僕も新たに公共事業に手を出し始めている。
そう・・・お風呂だ!
現状お風呂・・・というか浴槽やシャワーは僕たちと保護区画に住む生徒。そして公爵様だけが日本にいたころのハイテク浴場を使用できるようになっている。
そこで一般市民でも扱えるようにと、公衆浴場を設置した。
もちろん体を洗ってから浴槽に浸かるなどの最低限のルールは徹底するようにしたが、これが大ヒットした。
あたりまえだが、それまでは浴槽を使ったお風呂なんてものは貴族だけが使えるもので、一般市民は基本的に桶で体を拭くだけ。
そのため・・・ぶっちゃけ言えば汚いし臭いのだ。
当初貴族だけの特典とでもいうべきお風呂が民衆にも使えるようになったことによって貴族たちからは猛反発を喰らっていた。
しかしその反発を抑え込む材料がそろい始めたのでもある。
というのも入浴というのは浴槽に浸かる意味合いとしてはリラックスや血行促進が大きいが、シャワーに関しては体を綺麗に洗うという側面が強いため、衛生環境の向上により、民衆の健康度が急激に上昇。
それに伴い生産業も発達したことによって間接的にではあるが国の発展に結びついたため、貴族たちも迂闊に反発ができなくなったのだ。
一部貴族が、僕のスキルの利権を再び奪おうと動きだしたり・・・なんて一幕もあったといえばあったのだが、実際にはそこは公爵様が口利きをしたことによって、ほとんどが不発に終わっている。
何件か強行したりといった行為も見られていたが、そちらは全て公爵様が握りつぶしたそうだ。
毎度お世話になります・・・
そして僕は公爵様からの依頼でとある農村の問題を解決に協力することになった。
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