2-2-8

王国が戦争を仕掛け始めたのが6月上旬。

今は7月下旬であと少しで9月になる。

あれからの王国軍とは散発的な戦闘は発生しているものの、

主力は王国軍兵士であり、召喚された勇者集団・・・の名残ではなかったそうだ。


そして保護した生徒たちは全体の9割にも上っていた。

さらにそこから判明したのは、すでに隷属状態にある生徒は全員救出しただろうとのことだ。

逆を言えば残っているのは全て僕がと考えている、悪辣な思想にそまってしまった敵だ。

なお、この保護区画の建物には考えられない数の冷蔵庫を置いてある。

区画の生徒たちの食べ物を保管するためだ。

主に地球産のデザートが主体だが。


食料の供給のため何かと保護区画と首都を行き来することが多くなり、ジム〇ーの姿も最早捉えられているが、公爵様が幅を利かせているらしく特に問題は発生していない。


王国との戦争事情に関しては、異世界から召喚された者たちが使われていないのであれば、僕が個人的に出張るのは何か違う気がする。

辺境伯様には相変わらず洗剤の類は卸していたし、加えて大量の食料品を援助したりと間接的な関与は行っている。

しかし直接的な手出しは、控えるようにしていた。



幼馴染の二人を保護した後、僕は二人部屋に案内していた。

二人に用意した部屋は、保護した生徒たちが暮らしている区画とは別だ。

正確には最初は別だった・・・というべきだろう。

二人は僕の友達だ。

それゆえに僕の家に招待していた。


しかし天神君のほうが近いうちに出ていくと言って聞いてくれない様子だった。

どうにも居心地が悪いようだ。

ちなみに九条さんの方は何が何でも残ると言い張っている。

何がどうなっているのか分からないが、たまに先輩たち4人と睨みあっているのを見かける。

できれば仲良くやってほしいけれど、そこまで干渉するのも違う気がするので本気で戦ったりしない限りは基本静観・・・もとい放置している。


というか正直相手にしている余裕がなかった。

愛理先輩たち3人がもとから夜這いをかけてくる中、ここに愛川先輩が参入。

さらに驚いたのが、件の愛川先輩であるが、合流初日から親愛の絆が愛理先輩たちよりも低いレベルではあるが、繋がっていた。


そして幼馴染を王女から取り返し、僕たちに合流した九条さんも何故かこの夜這い合戦に参入。

ちなみに親愛の絆としては、ついこないだ迄は九条さんが1番上、その次に愛理・里美・絵里奈・天神君、最後に明美という形であったのが・・・


これが大きく変動、天神君を除いた全員が同じランク帯に入り、天神君が少し下に入っている。

現状彼女たちは6店舗のパスが出来上がってるのに対して、薬屋、服屋、コスメショップ、食料品店の4店舗を繋げている。


天神君は4店舗上限のパスに対して服屋と食料品の2店舗のみ繋げている。

風呂は僕が用意したものがあるし、繋げていないものはさほど購入頻度が高くない為必要性を感じないとのことだ。


彼女たちが繋がっている店舗数が多いのは女性として必要なものが多いとのことだ。

加えて保護・・・といつまでも称するのは失礼だな。

保護し今ではある程度の自活ができるようになった生徒たちは基本的に彼女らから物を仕入れている。


というのも何でもパーフェクト人間だと思ってた天神君だが、実は一つ苦手なものがあったのだ。

家事だ。

料理・炊事・洗濯・掃除。

どれをとっても苦手らしく下手すれば火事につながる案件もあるとのことで、僕の知らないところで九条さ・・・愛美から命令されているとのことだ。


ああ、愛美のことも名前で呼ぶようになったのは言うまでもなく愛理たちの影響だ。

彼女たちが僕に名前呼びさせているのを聞いて、「だったら私も!」と言って、僕が遠慮するのを許してくれなかった結果だ。

そして、愛理達にたいして「先輩付け」や「さん付け」がなくなったのは何かを対抗している彼女らからの要望だ。



そして彼女たちのよくわからないバトルを放置するきっかけになったのが、

愛美の夜這い参入だ。

あまり知らない人たちの夜這いは驚きはあったが、割とすぐ慣れた。

しかしよく見知った幼馴染の夜這いは本当にビックリする。


しかしこの愛美の夜這いが彼女たちのよくわからないバトルに燃料を投下した火に油を注いだ


今までネグリジェ夜這い変なこととかをするのは愛理だけだった。

それが今では愛美も含めて全員するようになった。

それも毎日だ・・・

いや・・・ネグリジェならまだマシだろう。

偶に下着姿で寝ている時があるし、愛理と明美に至っては馬鹿なことをしてくる全裸で寝ている時がある。


なお、それをやられた翌日に愛美に対して、『頼むから全裸で寝るのはやめてくれ』と土下座で先手を打ったら絶望したような顔をされた・・・


解せぬ




また僕たちの環境も変化した。

戦争が小康状態に入ったのを見計らって、公爵様から首都に豪邸をいただいた。

もちろんそちらに関しても風呂や洗濯機、トイレを設置したり魔改造している。

ちなみに保護区画と、首都にある家には他にドライヤーやヘアアイロンの類も設置した。

主に女子生徒たちからの要望だ。


また公爵様から譲り受けていた家は公爵様に返却した・・・魔改造したまま。

何でも、魔改造後に公爵様が使ったときに魅入られてしまったそうだ。

加えて公爵家本邸においても設置の要望があったため、実施している。


公爵様からは別荘にも設置してほしいと要望があった。

リリアーネットさんが殺人鬼の目をし始めたそうだ。

なぜか申し訳ない気持ちになる。


加えて大豪邸に新たな参入者が増えた。

それも3人。

ヒーレニカさんと、公爵家の双子の姉妹、アリシアさんとレミリアさんだ。

理由は不明。

全員教えてくれなかったが、公爵様からの要望でもあったので無下にできなかった。


なおアリシアさんとレミリアさんは9月から首都の学校に通うそうだが、頂いた豪邸から通うそうだ。

此方も理由は不明。

ただ2つあるそうで、1つはこちらの方が設備がいいからとのことだ。

もう一つはなんだろうか?


そして豪邸になり部屋数が増えたため天神君も一緒に住んでくれることになった。

ただし部屋をかなり離して、だ・・・・

「夜中に大きな声を聞いて起こされたくない」とのことだ。

僕が変人にでも見えてるのだろうか?

ちなみに愛美たちはこの時顔が完全に茹っていたそうだが、彼女たちに背を向けて聞いていた僕は何も気づいてなかった。



何はともあれ新生活がスタートした。

しかし・・・最近背中に寒気がはしることが多いのだが何故だろうか?

一応冒険者活動は適度にしているし、体が弱ることは無いはずなのだが。

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