1-3-7
宿に帰るなりベッドに横になりたい気持ちに駆られる。
しかし準備はしっかりとこなしておくべきだ。
先にショッピングセンターで仕入れを行い、アイテムボックスに収納しておこう。
貴族向けの塩1㎏、普通の塩10kg、胡椒300gを購入しておく。
普通の塩は500gで大銅貨1枚なので、大銅貨20枚分、即ち小銀貨2枚だ。
合わせて小銀貨3枚と大銅貨5枚をレジに支払う。
普通の塩の販売価格については、庶民向けなので10㎏で銀貨5枚で考えている。
胡椒や貴族向けの塩と比べると利益が少ないように感じるが、
何度も言うが商人は信用が第一だ。
利益だけ求めた結果商人ギルドから信用を失うのは痛すぎる。
そうして卸準備を終えた僕は昼食を食べに外出する。
一食満腹を得るために小銀貨1枚を支払った。
この辺の金銭感覚は前の世界と変わらないようだ。
一食500円という宿の代金が安いだけだ。
外食をすれば普通は600円から700円くらいは最低でもするし、満腹になろうとしたり豪華にしようとすれば軽く1000円は超えてしまうことがほとんどだ。
続けて僕は街の中を探索した。
その結果いろいろなことが知れた。
まず冒険者関連から。
言うまでもなく冒険者ギルドが存在しそこに依頼する人、依頼を受注して仕事をする人がいる。
所属としては商人ギルドになるが、冒険者たちを補助する店舗として武具屋、鍛冶屋、薬屋などがある。
武具屋では当たり前だが武器や防具の類が置いてある。
といってもいわゆる量産品だ。
庶民のすべてが冒険者になるわけではない以上日用品と比べれば当然高い。
加えて自分たちの命綱にもなる品だ。
そこに金を惜しむことはできないだろう。
しかし冒険者という職がある以上、一定の需要があるのも事実。
しかし高ランクの依頼では危険度の高い魔物や猛獣との戦闘がありうる。
そうなると量産品だけでは動きが阻害されたりと、冒険者の本来の力を発揮することができないことがある。
そのために鍛冶屋も存在する。
鍛冶屋は武具屋に量産品を卸すだけでなく、冒険者からの受注式の依頼を受けてオーダーメイド品を作ることもある。
当然同じ品質や性能であっても量産品よりも手間がかかるためその手間賃がかかってしまう。
しかし先ほども思ったように自分たちの命に直結する問題だ。
おおむね駆け出しの間や予備の武器・武装などを量産品にしておいて、中ランクに上がったり本命装備を鍛冶屋に依頼するといった形だ。
ただし詐欺などを防止するために依頼には商人ギルドを通す必要があるようだ。
正確には直接依頼は禁止されているものの、明確な罰則は無い。
しかし全て自己責任のようだ。
それで何か問題が起きたとしてもギルドは一切関与しないというスタンス。
薬屋は直接使える薬草や、直接使えないがゆえに一度ポーションにされた物などを置いている。
また直接使える薬草にしても薬師の手によってポーションになることでより高い効果を発揮することができるようにした物もおいている。
例えば普通の傷薬の薬草を使っても、擦り傷やちょっとした切り傷を直すのが限界だし、あまりに傷の量が多くても直しきれない。
しかし同じ薬草でも初級ポーションになるとちょっとした切り傷程度であれば、それ相応に数が多くても1本飲むだけで治るそうだ。
流石に骨折の類になると中級ポーションが必要になるようだ。骨折箇所が増えれば中級ポーションを複数飲む必要があるし、それが嫌なら上級ポーションを購入する必要があるそうだ。
とはいえ、今現在の僕のショッピングセンターはあくまでも食料品だけ。
これらの情報自体はありがたいとは思ったが、すぐに使える情報ではなかった。
そうして疲れ果てた僕は宿に戻り、夕食を摂り、桶を借りて体を拭いたら直ぐにベッドで寝てしまうのであった。
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