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【上白糖】

一般的で汎用的な使用用途のある砂糖。この世界においてはとても貴重な物であり、一般庶民には手が出せない代物。主に貴族や中規模以上の商人が購入する。

内容量:500g

価格:大銅貨1枚


【胡椒】

少し辛みのある調味料。異世界の胡椒は大きさが均一でなおかつ高品質を保っている。一般庶民は大きなサイズの胡椒を自分たちで砕いて使用しており、風味も劣化している。異世界の胡椒の品質は主に貴族や中規模以上の商人が購入する。

内容量:30g

価格:大銅貨1枚


うぇっ!?!?!?


思った以上に前の世界の砂糖と胡椒は、この世界においてはオーバースペックだったようだ。

胡椒なら少しくらいは売っても、品質の粗いものであれば一般庶民でも扱ってるのならばどうにかなりそうだが、砂糖は無理だろう。

何せ一般庶民で手が出せないと書いてある。


とりあえず、キメの細かい塩を1㎏と胡椒を300gほど購入しよう

塩で大銅貨5枚と胡椒で小銀貨1枚だ。

これくらいの金額ならば、まだ余裕はあるし失敗しても取り返しは付きそうだ。


レジに商品を持っていき購入する。


あとはこれを持って商人ギルドに行って登録し、売るだけだな。

そう思って僕はカバンに物を入れてショッピングセンターを出て宿を後にする。


しかしここで思ってしまった。

この制服をこの世界で着たままはマズイのではないかと。


そう思いまずは服屋に行くことにした。

街を歩いて探していると、いろいろな人から視線を一瞬向けられるのが分かった。

やはりこの服装が珍しいようだ。


服屋に到着して服を選んだ。

すこしボロっとした肌着に、同じような長袖のシャツ、同じような長袖のズボンと簡単な構造の靴だ。

合わせて銀貨1枚になってしまったが、これも平穏な生活を送るためだ。

割り切ることにしよう。



そうしていよいよ商業ギルドに辿り着いた。

辿り着いてカウンターにいた女性職員に入会したい旨を伝えると、説明を受けるかと聞かれる。

ロッサリーさんから一通り聞いているつもりだが、不足あったらマズイ。

僕は聞きたい旨を伝えて説明を受ける。


説明はロッサリーさんとほぼ同じだった。

不足していたのは商人ギルドに属する者のランクと年会費についてだ。

ランクに関しては冒険者も同じようにあるようで下から

G・F・E・D・C・B・A・S・SS・SSSランクがあるそうだ。

冒険者の方は実績によるそうだが、商業ギルドは毎月払う会費次第だそうだ。


高ランクの方がギルドとしても国としても手厚い支援が受けられ、貴族の目に留まることもあるそうだ。

反面、会費はどんどん高くなる。


また入会においては一律で小銀貨3枚だそうだ。

Gランクの場合は入会費だけをとるそうだ。

といっても身分証明をしてくれるだけで、何かを売ったりとかはできない。

あくまでも働き口を見つけるためのランクだそうだ。


Fランクはひと月当たり大銅貨5枚がかかるそうだ。

露店規模であれば販売が許されており、商人の入り口といえるランクだ。


僕にとってはとりあえずの販売の権利が得られればいいので、当面はFランクで十分だ。

屋台など規模を大きくする必要が出たら会費を上げてランクも上げればいいだろう。

とりあえず2か月分払っておこうと考えて、入会費の小銀貨3枚と小銀貨1枚。

計小銀貨4枚を支払う。



失くしたら再発行として同じだけの金額を取られるそうなので大事にしまう。

そして本題として

「ギルドの方で買い取りをお願いすることはできますか」と訊くと

できるとのことだった。


「これを買い取ってほしいんですけど」と言いながらショッピングセンターで購入した塩と胡椒をカウンターに乗せる。


すると信じられないものを見るかのように見て、女性職員は

「少々お待ちください。すぐに確認してきます!」と言いどこかへ行ってしまった。



戻ってきたのは彼女だけでなく50代か60代くらいに見える男性が一緒にいた。

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