1-1-3
「おはよう、蓮司」
「おはよう、蓮司君」
クラスの戸を開け、僕が幼いころからよく知っている彼らがやってきた。
呼び捨てで呼んできた男子は【
勉強は常に上から数えたほうが早いくらいにできる上に、特に何かスポーツに打ち込んでいるわけでもないのに、運動神経も抜群。
さらに顔も、男の僕からみてもイケメンと思えるほどで、これといって着飾ったところもなく友人として、そして人としての礼儀もある完璧人間の幼稚園時代からの幼馴染の友人だ。
一方で君付けで呼んできたのは【
こちらも僕の幼馴染で同じように、幼稚園時代からの友人だ。
幼いころは単に可愛いだけの女のことだったが、今となっては出るとこ出て、引っ込むところは引っ込む。所謂、モデル体型の女子生徒だ。
街中で10人の男性とすれ違えば6~7人は視線を向けてしまわれるほどの容姿端麗である。
実際、友達と買い物に出かけていたらモデルスカウトに声をかけられたとか何とか・・・
本人は、「もっと見てほしい人がいるから」と断ったらしいが、勿体ないと勝手にも思ってしまった。
まぁ、その人物はおそらく隣にいるイケメンなのだろうが・・・
どちらも僕が幼稚園のころからの幼馴染だ。
「去年はバラバラのクラスになったけど、今年は一緒のクラスになれたな」と
天神君は、安心したように言う。
「蓮司君、今年もよろしくね」
と九条さんが朗らかに笑いながら話してくる。
「うん。そうだね。今年もよろしくね」
と僕は当たり障りのない返事を返す。
これが今の僕らの日常だ。
そんな話をしていると、
「おーす、勇也、九条、蓮司。元気にしてたか?春休みボケしてねーか?」
ともう一人男子生徒がクラスに入ってくる。
【
彼もまた小学生時代からの幼馴染だ。勉強では勇也に少し劣るところがあるものの、僕では敵わない位置をキープし続けるイケメン2号。
実際に言葉にはしたことはないが、彼の目線は主に九条さんに向けられることが多い。
九条さんは幼馴染の友達としてしか見ていないようだが、重川君は熱い視線を向けていることが多い。
しかし、時々、女癖が悪いという彼の良くない噂が聞こえることが偶にある。
もっとも恋愛事は僕にとっては無縁の事柄だ。
友人であるかどうかも「僕がそうあってほしい」と願っているだけで、向こうがどう思っているかは不明だ。
それに重川君は奴らと仲がよさそうに見える。
下手に深入りして藪蛇は避けたいと思う僕は深く追及するのは、やめておくことにしている。
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