第4話 図書館
サリアのことでトールとはよく話すようになった。魔法についてはそれぞれ得意分野がある。サリアはあまり勉強しないからそういう話にはならないけれど、トールはわからない魔法を丁寧に解説してくれるので助かった。今まで自分でやってもわからないものを説明してくれるのは助かった。トールは教え方がうまい。
「トール、この魔法、聞いたことある?」
「う~ん、ちょっとないなぁ。でもsastって頭についているから、土系の魔法じゃないかな。サリア知ってる?」
「それって古代魔法でしょ。ママなら知っているけれど私は知らな~い。」
「そっか。おばさんも忙しいから聞くの悪いよね。確か王立図書館なら古代魔法の辞書置いてあるんじゃないかな。」
とトールが言う。
「でも王立図書館じゃ学生は入れないわ。」
「ママ、確か入館許可証持っているよ。よく行ってる。ママの紹介があれば行けるんじゃないかな。紹介状もらってきてあげよっか。」
「ほんと?あそこ昔から行ってみたかったのよね。ぜひお願いしてくれないかしら。」
「いいよ。」
「じゃあサリアとテリアと3人で図書館だね。」
「いいわね、行きましょう。」
そうするとサリアが
「え~、魔法の勉強でしょ。私はパス。ふたりで行ってきなよ。」
「え~、サリアも行こうよ。」
「やめとくよ。トールと行ってきなよ。」
「そう…?」
「じゃあテリア、おばさんからの紹介状持っていくから、今度の日曜日の午後1時に図書館前で待ち合わせでいい。」
「わかったわ。初めての王立図書館楽しみ~。」
家に帰って食事の時に今日のことを話した。
「お母様、私王立図書館に入れるかもしれないの。」
「あら、テリアちゃん本当? あらゆる魔法の書が納められている王立図書館は一族でも入れる者のは少ないわよ。」
「サリアのママの紹介で入れるかもしれないの。」
「サリアさんのママの紹介なら大丈夫ね。」
「そうなの?サリアのママって魔法研究所を開いているけれど、そんなに有名じゃないわ。何で王立図書館に入れるんだろう。」
「さあ何ででしょうねぇ。」
と言いながら母は笑っていた。
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