自我を持つと大変
「なあ、俺邪魔じゃないかなこれ」
「お前がいてくれないと何話せばいいかわからないんだよ」
「馬鹿か?」
「馬鹿だが何か?」
俺邪魔過ぎだと思うんだが?なんで田中とその幼馴染の間にいるんだ?ああ、早く帰りたい・・・
「帰っていいか?」
「だめ」
「幼馴染ちゃんもほら、田中と話せよ」
「・・・恥ずかしいじゃない」
「ヘタレどもめ」
「「ヘタレじゃない!!」」
息ピッタリ、もう付き合っちゃえよ。そのほうが皆幸せだと思うんだが?
「お前らもう付き合っちまえ、ヘタレども」
「「え・・・いや〜そんな〜・・・」」
「ほんとめんどくさいよお前ら。ほら田中好きなんだろ?」
「ちょ、声が大きい!!」
「・・・え、そうなの・・・?」
「ほら、幼馴染ちゃんも田中に告れよ?」
「プライバシーがない!!」
「まじかよ・・・」
オッケー、グー◯ル。ヘタレどもを付き合わせる方法。
『すみませんよくわかりません』
「ですよね〜」
『でもジレジレもいいですよね?』
「自我持ち始めたぞコイツ」
『私的にはNTRとかそっち系が・・』
「俺そういうの嫌いなんだ。なんか見てると可哀想で・・・」
『すみませんよくわかりません』
ポンコツだなコイツ、純愛だからいいんだよ。まあ俺はそっち系も見るけど。
「グー◯ル先生でもわからないって、あとNTRとかそっち系が好きらしいぞ」
「まじかよ」
AIが自我を持つと大変なこと(?)になるんだなと改めて実感した気がする。
さて、俺がここにいるとこの二人はイチャイチャできないので俺は帰る。
「あー、俺用事あるんだったー、帰らないとー」
「そうか・・・じゃあな」
「おう・・・頑張れよ」
そう伝えて俺は二人の行く先を見守った。
ーーーーー
「それで?どうだった?」
「特に何もなかったが?」
「ぶっ飛ばすよ?」
「物騒だな、まあちょっと昔に戻ったみたいだったな。ありがとな」
「おうよ!」
「それで?お前は佳奈ちゃんのことはどう思ってんだ?」
「ガン◯ム幼児化系幼馴染」
「新しいタイプの幼馴染だな」
「本当に言ってるとおりだ」
「お前はそのガン◯ム幼児化系幼馴染のことどう思ってんだ?」
「ガン◯ム幼児化系幼馴染」
「でしょうね。そういう意味じゃなくて気持ちの問題」
「田中くんはりんごを5個買ってきました。さてみかんは何個ありますか?」
「クソ問題やめい、好きかどうかってことだよ」
「好きだぞ、りんごとみかん」
「クソ問題から離れろ」
「って言ってもよくわからん」
「まあそうだろうな、少しは意識してると思ったんだが・・・」
「それはするだろ。一応幼馴染だし」
意識することはある。なんであんなに距離が近いのだろうか。
「あ、もしかして・・・?」
「おうそれが・・・」
「パシリだと思ってるんだな!」
「恋ってやつだ!」
「「は?」」
なんて言ったんだコイツは?いつも佳奈はなんで俺におんぶをせがるのか・・・そういうことだったんだな!
「ありがとう田中!俺わかった!俺前世奴隷だったんだ!」
「それ思い出すの嫌すぎない?」
「別に?」
ちなみに田中は前世も鈍感系主人公だったんだろう。
「こんな幼馴染を持って佳奈ちゃんも大変だな」
「なんかデジャヴ」
「そういうこった!」
「お〜い!優斗〜」
「噂をすればなんとやら」
「どうしたんだ?佳奈?」
「体操服貸して〜?忘れちゃってさ〜」
「おう・・・あ、ごめんこれさっき着たやつだ。ごめん」
「大丈夫!そんなこと気にしないから!・・・むしろご褒美」
「それならいいか。ほい」
「ありがとー!大好きだよ!ちゅ!」
投げキッスをして佳奈は行ってしまった。なんかニヤけてたな。
「お熱いこと」
「どういう意味だ?俺と佳奈はそんな関係じゃないぞ?」
「ははは」
笑って田中は前を向いた。そんな笑顔も輝いておりやっぱりイケメンだなと思った。
あ と が き
お久しぶりです、御霊です。しばらくの間おやすみを頂きます、申し訳ございません・・・
無自覚に近づいて来る彼女に困っています! 御霊 @Alps2324
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