距離、5センチであります!
「ねえ〜?今日はだめなのぉ?」
「その言い方やめたほうがいいぞ、色々と失うぞ」
「えー、別にいいじゃん?優斗にしかやらないんだから」
「・・・」
急に剛速球を投げてくるこの女は俺の幼馴染の佳奈だ。今日は大人〜な女性を演じてみたらしいが全然大人な感じがしなくただの痛すぎる女になっているのだ。
「今日はいい天気だね!」
「お前の会話デッキそれしかねえのか?」
「他にもあるよ?例えば・・・いいピクニック日和だね!」
「天気デッキじゃねえか」
もうお天気お姉さんにでもなれよ。人気出ると思うぞコイツ可愛いし。
「あ!」
「今日はどうした?またガン◯ム?」
「ガン◯ム?それあまり言わないほうがいいよ?怒られるよ?」
「・・・」
気に食わないがたしかにそのとおりかもしれない。もしかしたら俺たちが消えるかもしれない。
「じゃあ今日はどうしたんだ?」
「蟻がいるよ!」
「そこらにいる蟻かよ」
そう佳奈が言うとしゃがんで蟻を観察し始めた。スカートなのにしゃがんでいるので正面から見ると見えてしまいそうなので佳奈のスカートの中が見えないように俺は佳奈と囲うように蟻を観察した。
「ほう・・・白か」
「白?シロアリでもいるの?」
「いや、こっちの話だ」
佳奈と俺は観察を存分に楽しみまた歩き始めた。
「そろそろ夏休みだけど?優斗は予定ある?・・・ってごめんぼっちだったね」
「ぶっ飛ばすぞ?俺にも一緒に夏休みを楽しむ人くらいいるぞ」
まあ佳奈くらいしかいないけどな、がはっはっはっは!!・・・はあ・・・
「え・・・優斗にも・・・?」
「おーい?どうした?」
「ご、ごめん!先行くね!」
佳奈は今まで見たことない速さで行ってしまった・・・
「どうしたんだろうか佳奈は」
ーーーーー
「なあ田中。お前彼女っていたことあるか?」
「彼女いない歴=年齢の俺にそんなこと聞くのか?悪魔め」
「まあそんなことだろうと思っていたぞ、我が
「お前にはもちろんいないよな?」
もしここでいると言ったらどうなるだろうか・・・?面白そうだし言ってみるかな。
「実はな・・・俺に彼女ができたんだ!」
「「は・・・?」」
「え・・・?」
田中以外の声が聞こえた気がする。それも女性の声が。
「お、おい!!優斗お前!嘘だよな!?嘘でいいんだよな!!???」
俺は調子に乗って
「ちゃんといるぞ!ほら!」
俺は近所のお姉さんが俺のことをハグしている写真を見せた。まあこれはお姉さんが酒癖が悪いだけでいつもはこんなことはしない。
「・・・ま、まじか」
「だろぉ!」
「こ・・・」
「こ?」
「◯せーーーっ!!!お前らぶっ◯せーー!!この浮気糞男を地獄に落とせーーーっ!!」
「ちょ・・・!?何いってんだ!?」
この後俺はめちゃくちゃ追いかけられた。昔校内で鬼ごっことか楽しそうとか言ってたが全然楽しくなかった、ただひたすらに怖かった。男子は野球部から借りてきた金属バットを持ち、女子は家庭科部から借りた包丁を持っていた。
俺は無事逃げ切り早退したのだった。
ーーーーー
ふう・・・無事逃げ切り俺は家に向かっていた。家が近づくと家の前に誰かがいた。
「なんでお前が!?」
「えっへへ〜優斗きゅ〜ん?わらしだよ〜?」
近所のお姉さんの美香姉さんだ。今日はなぜかすごい酔っ払っている。今頃は会社でバリバリに働いているときなのに。
「美香さん?会社は?」
「やめれきた!」
「・・・」
「これからはず〜っと一緒らよ?優斗きゅん」
俺の中のお姉さんの株が落ちていったときだった。
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