汝が佩ける大刀に果てゝむ帝に叛奉る咎は咎とて


ける大刀たちに果てゝむおほやけ叛奉そむきたてまつとがは咎とて



 雛飾りにちなんで、破戒を詠む第三弾。


 人倫、道義の束縛から、長い間心に秘めて遂げられなかった思い。

 ただ、何らかのきっかけで、一度ひとたびその矩を踏み越えるや、籠めたる情緒を一挙にほとばしらせる。

 これ皆、短慮の為せるわざか? 或いは、ものごとの必定ひつじょうか?

 畢竟ひっきょう一頻ひとしきり愉楽ゆらくが過ぎれば、冷めて行く脳裡に吹き入る理性の風。


 このような禁忌を冒して、ただで済むはずがない。

 自らの咎を自らの意志で決着させようというのは、あくまでも自身に忠実に、自らが自らを裁せんとする矜持きょうじ


 きたのみやの覚悟は、悲壮なまでに固いようである。

 さて、随身ずいじんの覚悟は?


 

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