見放くれば稻田妙しも劒なす葉にて薙ぐ薙ぐ八方を祓ふも


見放みさくれば稻田くはしもつるぎなす葉にてぐ薙ぐ八方やもはらふも



 旧暦六月晦日は、夏越なごしはらえ

 古来、年に二度、水無月と師走の晦日には大祓式が執り行われ、平安時代には、親王以下の文武官が朱雀門に集い、中臣氏が祝詞を奏上したという。

 現代では、新暦の六月三十日に夏越の祓を行う神社が多く、茅の輪くぐりなどの行事が行われる。

 この時季、水田では青々とした稲が実に美しく、風が吹けば刀剣のような葉が一斉にそよいで、非常にすがすがしい。

 この様子を見ているだけで、何やら邪気が祓われて行くような思いがする。




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