第6章138話:閉会式

ルミは万雷の拍手を受けながら、ステージを去り……


控え室に戻る。


ベンチに座る。


ふと、携帯を確認すると。


メッセンジャーアプリからコトリがメッセージを送ってきていた。




コトリ『ルミちゃんルミちゃんルミちゃん!!』


コトリ『優勝おめでとう!!めちゃくちゃ凄かった!!』


コトリ『ほんとにチサトンさんに勝っちゃうなんて凄いよ!!!』




ルミは携帯を操作する。


そしてコトリにメッセージを返した。




ルミ『あなたのおかげで勝つことができました』


コトリ『え?どういうこと?』


ルミ『応援が聞こえましたから』




コトリがいなければ。


チサトンの夢想剣に圧倒され、心が折れていただろう。


そして。


コトリのおかげで、大切なことを理解できた。


ルミにとって、進むべき配信道がわかった。




ルミ『応援、ありがとうございました』




ルミは、そうメッセージを送り。


携帯を収納する。


1時間後に閉会式がある。


それまで何しようか?


と、思っていると。


トントン。


控え室の扉をノックする音がした。


扉を開けると、会場スタッフの女性が一人立っていた。


「ルミ選手、閉会式までに、回復のサービスが受けられますが、どうされますか?」


「回復?」


「はい。負傷した状態で閉会式に出るわけにはいかないでしょう? ですので、回復サービスを受けることをお勧めします」


そんなサービスがあることを、ルミは初めて知った。


まあ、決勝まで無傷で突破してきたからね。


回復サービスなんて利用しなくてもよかったのだ。


だが、さすがに今回はかなりのダメージを負っている。


サービスを受けておいたほうがいいだろう。


「では、お願いできますか?」


「かしこまりました。こちらへどうぞ」


と、スタッフが先導して歩き出す。


かくしてルミは、ヒーリングルームに案内され、治癒を受けるのだった。






さて。


1時間後。


閉会式が始まる。


すっかり回復したルミは、選手入場口を通って、会場に入る。


爆発するような拍手と喝采が溢れかえった。


あちこちで取材陣のフラッシュが光る。


ルミはステージにあがる。


ステージには既に、選手たちが勢ぞろいしている。


閉会式には、大会に出場した全ての選手が出席する決まりではあるが……


実際は、負けたからもう用はないと、さっさと帰ってしまった選手もいるようだ。


とはいえ、今回は、結構な数が居残っているようで、それなりの選手たちが並んでいた。


その中には、篠山メイの姿……


それからチサトンの姿もあった。


チサトンも、ヒーリングルームで治癒を受けたようであり、すっかり回復したようだ。


ルミがステージに到着して、2分ぐらい経ったころ。


スクリーンに貴誌村きしむらさんの顔が映し出された。





貴誌村『大会運営の貴誌村です。これより閉会式を開始させていただきたいと思います』





宣言とともに、閉会式が始まる。







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お知らせ:

新作を投稿いたしました! 女主人公のハイファンタジー作品です。

よろしければ本作とあわせて、是非お読みください!


【異世界に転生すると、私のチートスキルは『チョコレート魔法』でした!】

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