第5章98話:チサトン視点2
<チサトン視点・続き>
千里がアリーナの外周に出る。
バトルアリーナは、闘技大会であるのだが。
ときに陸上競技場としても使われる。
バトルアリーナの外周で長距離のレースが開催されたりもする。
現在は、大阪大会のために売店や露店が立ち並んでいるが……。
「あ、あの!」
声をかけてくる者がいた。
女性二人組だ。
一人はショートヘア。
一人はロングヘアである。
話しかけてきたのは、ショートヘアのほうだ。
「チサトンさんですよね!? そ、その……よかったら、一緒に写真撮ってください! お願いします!」
すると、ロングヘアのほうが、ショートヘアの女性に注意した。
「ば、馬鹿。相手は年間ランカーだよ? そんなの、断られるに決まって――――」
「ええで。一緒に撮ろか!」
「!?」
ロングヘアの女性が驚く。
ショートヘアの女性は、ぱっと目が輝いた。
「あ、ありがとうございます! じゃ、じゃあ、この携帯で!」
「了解やで」
すると千里は、ショートヘアの女性の肩に右腕を回した。
「え、ええええ!?」
「このほうがいい感じに取れるやろ? ほら、あんたもな。もっとこっち寄って!」
ロングヘアの女性に呼びかける千里。
「あ、え、えっと、私もですか!?」
「せやで。3人で撮ろうや!」
「えっと、あのその、……じゃあ、よろしくお願いします!?」
ロングヘアの女性は困惑しながら、千里に近づく。
千里は左腕を、彼女の肩に回した。
ショートヘアの女性が言った。
「じゃ、じゃあ、はい、チーズ!」
パシャッと。
音が鳴る。
「あ、ありがとうございます!! 一生の宝物にします!」
「ありがとうな。せや! よかったらウチのDMにも送っといてくれへんかな? ウチも写真欲しいし」
「え? あ、はい! 承知です! 絶対送ります!」
「よろしくな~!」
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