第3章:此間ダンジョン
第3章30話:再来
そのあと。
ルミは【ルミちゃんねる】の説明欄を更新した。
以下の言葉を明記する。
『今後、配信日時は予告したいと思います。ただし、そのときの気分次第で、ふらっと配信を始めることもありますので、ご了承ください』
まず配信の時刻を予告すると明言。
これで急に配信が始まって、視聴を見逃してしまうというユーザーは減るだろう。
しかし、それを絶対のルールとはしない。
不定期配信も行う。
気が向いたときに配信をしたくなることも、今後あるかもしれない。
だから、これぐらい自由なほうがいいと思う。
さて……
そろそろ朝食を作ろう。
時刻8:20。
晴れ。
マンションを出て、大学に向かって歩き出す。
最初の交差点を曲がったところ。
そのとき、ルミの隣を歩く女性が現れた。
(こ、この人は……)
ウェーブの女性。
見覚えがある。
そう、一週間前、まさにここでやばい独り言をまき散らしていた人だ。
月曜日を親の仇のごとく憎んでいた女性。
そうか……今日は月曜日か。
また月曜日に対する恨み言を吐くのかと思っていると、女性は独り言を述べ始めた。
「はぁ、月曜日ですね」
やっぱり月曜日の話だ!
「月曜日のだるさは、やはり格別です。月曜日だけ、地球の重力が二倍になっていたりしませんか?」
いや。
なっていないと思います……!
「ほら見てください。月曜日の憂鬱さに、道端のネコもニャーと鳴いていますよ」
……ネコは何曜日でも、そう鳴いてると思います!
と、ツッコミたくなったけど黙っておく。
このヤバイ人と、うっかりお近づきになっては大変だからだ。
「月曜日を乗り越えるには、普段の数倍のエネルギーが必要です。だから私は、これを飲みます」
そう宣言してから、彼女は取り出した栄養ドリンクをガブ飲みし始めた。
1本を飲み干すと、続けざまに2本目を飲み始める。
大丈夫か、この人……。
「それでは、今日も頑張りましょう。さようなら」
そう述べて、彼女は足早へ歩き去っていった。
……。
……私、もしかして話しかけられていたのだろうか?
いや、まさかね。
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