第2章16話:大学へ


ルミは歩き続ける。


5分ほど直進すると、ふたたび交差点。


左に曲がりたいのだが歩行者信号が赤である。


待機する。


信号が青になった。


ルミは対岸へ渡り始める。


そして4分ほど直進し、T字路を左に曲がり、2分ほど歩くと――――


視界の右側に鞘坂大学(さやさかだいがく)が見えてくる。


ここが、ルミの通う大学である。


(だいたい徒歩20分というところですね)


ルミは携帯の時刻を見ながら心の中でつぶやいた。


マンションから大学までの所要時間。


ルミの足で、徒歩20分。


バスを使えば数分もかからないけれど、バス料金がかかってしまう。


急ぎでなければ、なるべく徒歩で通いたいと思っている。





――――鞘坂大学。


人口4000人ほどの大学。


もともとは学問探求を中心としていたが……


近年、魔物の脅威が増してきたことを受けて【探索者学部】を増設。


探索者カレッジとしての側面を持つ大学となった。


ルミが通うのも、探索者学部・剣術学科である。






ちなみに、現在、日本の大学は12年制が基本だ。


当初は4年制が実施されていたが、魔力の操作を覚えるには、もっと長い年月が必要ということで、12年制へと拡張された。


現在、ほとんどの大学が12年制を採用している。


しかし12年の通学となると、卒業は30歳になってからだ。


つまり30歳から社会人になるわけだが……問題ない。


ダンジョンが現れ、全ての人間に魔力というものが宿るようになってから1000年。


人間の寿命は、魔力の影響によって飛躍し、最大で300歳以上も生きられるようになった。


もはや人類は何百年と生きるわけだから、30歳から社会人をはじめても、遅くはないのだ。


むしろ存分に必要な技術と知識を学んでから、社会に出てくるべきだというのが、基本的通念である。





もちろん、鞘坂大学も12年制の大学だ。


ルミはこの大学に、最低でも12年は通うことになるわけだ。


(さて……オリエンテーション会場はどこでしょうか)


ルミはバッグから大学案内書を取り出し、確認する。


今日は大学生活の説明会が開かれる。


大学の講義、単位、施設などについて、教授から説明が行われるのだ。


ルミが向かうべき説明会場は……


【剣術学科棟】の2階である。


さっそくルミは足を向けた。



――――――――――――――

鞘坂市の地図について

ルミの住んでいる【鞘坂市】の地図を作成したので、私の近況ノートに載せておきました。


※マンションや大学の位置がわかればいいという程度のものなので、けっこう雑な図ですが、ご容赦くださいwww


まず簡易図です

https://kakuyomu.jp/users/teru0024a/news/16817330659317807095


次にルミの通学ルート図です

https://kakuyomu.jp/users/teru0024a/news/16817330659317883406


最後に、詳細図です。

https://kakuyomu.jp/users/teru0024a/news/16817330659318007451

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る