第9話
「どう、香ちゃん。何か分かった」
「はい、それが、綾さん」
「どうしたの、どんなことでも良いから、教えてちょうだい」
「はい、綾さん、実は社長、さっきから何やら、ペンギン先生、みたいなことを言ってるんです」
社長室の扉から耳を離して香が小さな声で答える。
「それはおかしいわ、やっぱり変な宗教に入ったのかもしれないわね」
「どう言うことですか」
「ペンギンを崇拝することで何か良いことがある、みたいな感じかしら?」
「ペンギン教ですか?」
「待って、まだ確定した訳じゃないから。細かい情報が、もっとたくさん必要だわ」
「はい、世の中は情報の時代ですものね」
「香ちゃん、あなた、やっぱり若いわ。情報っていうのはね、集めるだけではダメなの。誤った情報や、勘違いもあるわ。大切な事は、その情報を如何に正しい方向へ持っていけるかの分析能力なのよ。分かる?香ちゃん?」
「はい、そうなのですね。先輩と居ると勉強になります。ありがとうございます」
「亀の甲より歳の功よ、私と居る間は安心して着いて来るのよ」
「はい、着いて行きます」
これぞまさしく変な新興宗教ではないのか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます