第2話



 社長がドサリと自分の机の前の椅子に座ると直ぐに、ドアをノックする音が聞こえる。


「ええよ、入ってや」


 デザイナーが珈琲を運んで入ってくる。


「社長、お先です」


 そう言いながら、デザイナーは家に帰って行った。


 若造りをしている訳でもないが、年相応には見えない。

年齢はもうすぐ30歳になろうとしているが、どこから見ても20代前半ににしか見えない。

来ている服も独特な感性であるが、決して時代や背景に馴染まないような服装でもない。

彼女のおかげで、指輪やネックレスなどがたくさん売れた時期もある。

今、貴金属が売れないのは彼女のせいではない。

そんな時代なのだ。

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