幸せの一画目

太陽ののぼるほう

誰かが雲に放火した

ハイヒールの音が一番大きく鳴ったとたん

どろっとした臭気に口付けされる

黄色い帽子の行列とハイタッチ

なんてわけもなく僕の腕はちぎられた


ねじれの位置に佇む牡丹

優しさで穴だらけの君は

風に花を咲かせた

ひどく不格好な君と

あざけるようにはらり舞う蝶々

……なあ、言い返せ!

     〇〇〇〇ないんだ と君が笑った

だから僕はこんなものでもよければと

幸せの一画目を君にあげる


雨が降るからって 空が泣いているわけじゃないでしょう?


太陽のしずむほう

暮れなずむ空

今日も元気な「ただいま!」が響いて

やわらかい雨を降らせてくれる

その7秒が優しくて

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