蛇の脚編 6話
少年は才能のある魔術師でした。
そして王都には沢山の資料がありました。
少年は贈り物を使って岩にされた人々をよみがえらせました。
しかし、彼に託された贈り物だけでは全ての人をよみがえらせることは出来ませんでした。
次に少年は大地を癒しました。
少年の魔法で氷は溶け、崩れた土には木がしっかりと根を張り固め、土にしみた呪いは流れ去りました。
そして、焼け跡には新たな命が芽吹きました。
彼は大地の命の力を借りて、灰になった人と氷漬けにされた人々をよみがえらせました。
王様は彼に深く深く感謝しました。
少年は最初に一つ、王様と約束をしていました。
「僕は王様の願いを叶えますが、この国の、この先の国の王様には呪いがかかります。構いませんか」
王様は泣きながらどんな代償を払っても構わないと言いました。
少年は自分の中にある魔王の命を探すと、別れる前に王様の中にそっと入れました。
王様は餞別にたくさんの財宝と土地を彼に与えました。
そして、少年は王都を離れました。
少年は流れ込んでくる感情を全て受け入れることが出来ませんでした。
だから、愛し子達と誰もいない山奥に引っ越したのです。
少年はトカゲに望みを聞いてみました。
トカゲは人間になりたいと言いました。
少年はそれはいやだと言いました。
トカゲは強くなりたいと言いました。
少年は泣きました。
少年は分かっていました。
少年はもう簡単には死ねない身体になってしまっていたのです。
トカゲは言いました。
「あなたをずっと支えられる丈夫な身体が欲しいのです」
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