蛇の脚編 5話
魔王は贈り物が少年にとって幸せな物だとは思いませんでした。
魔王は妬んだのです。
絶望を知らず、若く輝ける少年を。
不幸を乗り越え愛しい物に囲まれた少年を。
自分のようなばけものを人間と言える少年を。
だから、贈り物をしたのです。
魔王の命、なりそこないのドラゴンという呪いを。
贈り物を受け取った少年はもう人間と過ごすことは出来ないでしょう。
贈り物を受け取った少年は直ぐに絶望してしまうことでしょう。
そもそもこの国にはもう人間がいないのです。
王様は見つかりませんでしたが、魔王は満足でした。
どうせ人一人居ないがらんどうなこの国はもうおしまいでしょう。
魔王は、不幸で幸せな少年を巻き添えに出来て満足でした。
例えその結果自身が死んでしまっても、彼は満足だったのです。
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