蛇の脚編 4話
少年の前から男はいつの間にか消えていました。
少年は男が触れた部分が熱を持っている事を不思議に思いながら、焚火と無人の街の火を消すと、愛し子達の待つ森に戻りました。
愛し子達は少年が戻ると物陰から出てきていつものように彼にお帰りと寄ってきてくれました。
しかし、不思議なことに愛し子達の声までも少年は感じ取れるようになっておりました。
なるほどコレが贈り物か、少年は感動で胸がいっぱいになりました。
少年達はいつものように森を離れ新しい町を探しました。
しかし何処まで行っても人のいる町が見つかりません。
以前訪れた町に行っても何も見つかりません。
だあれもいません。
少年は不思議に思いました。
少年は王都へ向かいました。
王様の町ならば誰かいると思ったからです。
しかし、王都にも誰もいませんでした。王都はがらんどうになっていました。
少年は王都を隅々まで探検し、人の姿を探しました。
誰もいませんでした。
と。諦めかけた少年は人の痕跡を見つけました。
それは真新しい火をおこした痕でした。
火の痕からたどり、少年は一人の男を見つけました。
男は王様でした。
王様は少年におびえ、すがるような目で少年を見ていました。
王様は少年に彼の知る全てを話しました。
喋りながら王様の本当の考えが、忌まわしい思い出が、記憶が少年に勝手に流れ込んできました。
少年は男の正体を、魔王の正体を知りました。
少年は自分に与えられた贈り物の正体を知りました。
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