蛇の脚編 3話
王様は力を求めていました。
どんどん進化する兵器をもつ他国に、技術力の劣るこの国はいつ取り込まれてしまうかも分からなかったからです。
ただ、この国には他国には無いものがありました。
発掘されたドラゴン。太古の「いだいなるもの」「おおいなるもの」の筆頭。どこかへと消えた種族。
学者の男は王様に言いました。
「この遺伝子があれば。あの「おおいなるもの」さえ手に入れば、この国は永劫安泰でありましょう」
そして男はドラゴンの実験を行いました。
結果は恐ろしい物でした。
王様の目の前で細胞を移植された少女は岩山を消し飛ばしました。
王様はその力に魅入られてしまいました。
男は言いました。
「ドラゴンの細胞を長持ちさせるには魔術師に移植するのが一番です。どうにか検体を手に入れることは出来ないでしょうか?」
王様は魔術師を探しました。
研究の内容を知れば協力する魔術師はいないかもしれません。それに、魔術師もまた貴重なのです。
王様は王宮に召し抱えるという名目で年老いた魔術師に声をかけました。
家族もなく、老い先短い孤独な魔術師ならばいなくなってしまっても誰も気付かないと思いました。
しかし、実験は失敗しました。
魔術師はドラゴンにならずトカゲもどきのようなばけもの。魔王になり王都の全ての人間を殺して回りました。
王様は逃げ出しました。
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