第十四話 アーサの過去Part7


3年が経った後、村での出来事やリチャード刑事の存在が、アーサを心の底から嫌悪させ、絶望の淵へと追いやっていた。彼は全てを諦め、廃人のような生活を送っていた。常に飲み屋に立ち寄り、酒を飲んでは周囲と喧嘩を繰り返していた。髭は伸び放題であり、髪は乱れ放題になっていた。


そんなある日、アーサが路上を歩いていると、ショートカットの女性が彼のインパラに乗っているのを目撃した。彼はその女性の正体を知るため、興味津々で彼女の肩を掴んだ。すると、女性は穏やかな口調で話しかけてきた。


「久しぶり、アーサ。」


「え?誰だよ、お前は。」


「名前は?」


「私はイザベラ・ハードという。」


「イザベラ?どこかで聞いたことがあるな。」


「本当に覚えていないの?私は幼馴染み、あるいは友達だよ。」


「ああ?」


「君が忘れてしまったのはショックだね。まぁいいさ、これから一緒にいるよ。」


アーサは悲しみに包まれていたため、イザベラの存在はどうでも良かった。彼は冷たく告げた。


「もう好きにしろ、イザベラ。」


そう言って、アーサはインパラに乗り込み、名も知らぬ街に向けて走り出した。その街の飲食店でハンバーガーを食べていると、イザベラが話しかけてきた。


「一緒にワイルドハントを潰そうよ。」


「なぜ、その名前を知っているんだ?」


「それはなぜだろうね。」


イザベラは楽しげに答えた。


「君の手帳にマークがあったじゃない。ただのマークではなく、彼らの居場所を示しているんだ。追跡装置のようなものさ。」


「まずはこの人から始めよう、竜のマークだ。」


「竜のマークで彼らの居場所がわかるのか?」


「鏡に映してごらん。反転すると見えてくるよ。」


アーサは飲食店のトイレの鏡で試してみると、不思議なことにその場所が浮かび上がった。


「カリフォルニア州ベーカーズフィールドと書いてある。」


アーサがそれをイザベラに伝えると、彼女はすぐさま出発しようと言った。アーサは言われるがまま、名も知らぬ町へと向かった。


道中、イザベラはバッグからもう一台の携帯電話を取り出した。


「携帯を持っていない?持っていなかったらあげるよ。」


「携帯?ああ、持っていない。ありがとう。」


「私の電話番号を入れておいてね。道に迷ったりしたら、電話して。」


「第一、竜のタトゥーをした人はたくさんいるだろう。ただのタトゥーを見てワイルドハントの一員と判断するのは難しいだろう?」とアーサが言いました。


「いや、それがわかるんだよ。鏡を反転させると、その人の場所が分かるんだ」とイザベラが答えました。


「そう言っていたな」とアーサが思い出しました。


「それで、遠くから女性特有の手鏡で髪をいじっているふりをして確認してみたんだ。すると本人だと確信が持てたの」とイザベラが説明しました。


「おお、すごいな」とアーサが感嘆しました。


「それで、どうやって彼を倒すんだ?」とアーサが尋ねました。


「見てて」とイザベラが言い、竜のタトゥーをしたワイルドハントの一員に近づき、ナイフを彼の首に突き刺しました。


アーサはイザベラを見て、彼女の中に秘められた恐ろしい力を感じました。


「すぐに終わっちゃったね。とにかくここから逃げないと警察が来るから」とイザベラが言い、アーサの手を取り、インパラに乗ってベーカーズフィールドを後にしました。



「了解。」


目的地に到着し、夜だったためアーサは車を駐車場に停めてそこで休むことにした。


「イザベラ、今日はここで寝るよ。」


「……」


アーサはそのまま眠りにつき、早朝に目を覚ました。1時間後、イザベラも目を覚まし、アーサと共にワイルドハントの追跡が始まった。


「私が聞き込みをするから、その辺りを探していてくれ。」とイザベラが言ったが、アーサは彼女がどこか適当な場所を指定しているのではないかと思っていた。


1時間後、アーサの携帯電話が鳴った。


「もしもし、見つけたよ。私がいる場所から2ブロック先にいるから、そこに来てくれ。」


「お前の場所がどこかわからないだろうが。」


「ごめんね、大きな看板があるじゃん。その下ら辺にいるよ。」


「ああ、そこか。分かった。」


アーサはすぐさま大きな看板の場所に向かった。


「では、イザベラはどこにいるんだ?」


イザベラは指差すと、壁に寄りかかっている竜のタトゥーをした男性を指し示した。


「今から彼を倒すんだ。」


イザベラは声色を変えて言い、アーサは彼女の肩に手を置き止めた。


「第一、竜のタトゥーをしている人はたくさんいるから、それがワイルドハントの一員だとわかるわけじゃないだろう」とアーサは言った。


「いや、そうじゃないんだよ。鏡を反転させれば、彼らの姿が浮かび上がるんだ」とイザベラは答えた。


「確かにそんな話を聞いたことがあるな」とアーサは思い出した。


「それで、彼が近くで女子の必需品である手鏡を使って髪をいじっている姿を確認し、本当に彼がワイルドハントの一員だと確信したんだ」とイザベラは説明した。


「おお...すごいな」とアーサは感嘆した。


「それで、どうやって彼を倒すつもりなんだ?」とアーサは尋ねた。


「見ていてくれ」とイザベラは言って、竜のタトゥーをしたワイルドハントの一員に近づき、ナイフを彼の首に突き立てて殺した。


アーサはイザベラの行動を見て、未知の恐怖を感じた。


「すぐにここから逃げましょう!警察が来るかもしれないから」とイザベラはアーサの手を取り、急いでインパラに乗った。


彼らはすぐにベーカーズフィールドを後にした。

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