第6話 殺害
複数の機動隊が銃を構え、黒崎を囲むように病室に入ってきた。銃口は彼に向けられ、緊迫した雰囲気が漂っていた。
黒崎は怒りを込めて口を開いた。「おい、おい、俺はテロリストなんかじゃないぞ。」
すると、機動隊の一人が答えた。「目標の人物を確認しました。ただちに射殺の許可を待ちます。」
他の機動隊員が続けた。「許可が下りました。今から一斉射撃です。用心してください。この男はただ者ではありません。」
機動隊たちは数を数え、一斉に銃を発射した。黒崎の身体に銃弾が数か所命中し、彼は倒れ込むようにしてしまった。
意識が遠のくなか見えていたのは、ドラゴンのタトゥーをした人物が仲間の機動隊を撃ち殺している姿だった。
ある光景が自分の目に映し出された。
イギリス人風の男が黒いジャケットを身にまとった男性と激しい口論を繰り広げている様子が聞こえてくる。「お前が狂人か!なぜ…なぜ家族を殺したんだ!俺の家族を!俺をどう顔で、思い出で育ててくれたんだよ!おじさん」と、激しい怒声が響き渡った。
黒いジャケットの男性は手を大きく広げながらゆっくりと答えた。「殺すなんて…本当はやりたくなかった。実の弟を殺すなんて、考えただけでも信じられない。しかし、仕方がなかった。てめぇの母親が俺たちの組織を壊滅させたんだろう?それが避けられない結果だったんだよ。」
その言葉を最後に、会話は途切れ、視界が閉ざされていく、自分が誰なのかさえも忘れ去られてしまう気がしてきた。
突如目を覚ますと、陰鬱な場所に身を置いていた。そこは年月の経過を物語るような様相で、ダニの大群が跳梁跋扈しそうな不気味さが漂っていた。ところが、痛みによって身体が思うように動かない。
視線を転じると、母を殺害した犯人と思われる男が、胡座をかきながら私の近くに寄り添っていた。彼は冷たく囁いた。
「目を覚ましたか、ガキ。お前には怪物との戦いに加え、組織の再建も手伝ってもらうつもりだ。遅いよ、その態度」
痛みを超えるほどの憤怒が私を襲い、ドラゴンの刺青を施った男に向かって激しく叫んだ。
「てめぇを殺してやる! クソ野郎!!!」
男は嗤いながら応えた。
「ガキが何ができるってんだ? お前を二度も救ったのは俺だ」
「二度救ったって何だよ! お前なんかに一度も救われたことなんてねぇんだ!」
「俺が蹴り飛ばした後、なんで病院で目を覚ました? 機動隊の奴らに何発も撃たれたはずだろうに、なぜ生きている?」
蹴り飛ばされた後、一般市民が助けてくれたと思っていたが、実際は違っていて、それは母を殺害した男だったため、複雑な感情が入り混じっていた。
「組織って、なんだよ! 地下道で出会った爺さんも何か言っていたけど…」
ドラゴンの刺青をした男が立ち上がり、答えた。
「知らないのか? 組織とは、地球外生命体と戦う組織のことだ、通常ワイルドハントと言われている。」
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