第23話

「問題ないよ。氷結狐は楽勝。」

ぶいっとピースサインをしたセイ。


「僕はセイ様なら問題ないと思います。もし何かあればすぐ戻ってきてくださいね。」


「…なら私もセイ様のことはここでお待ちしています。ですが、本当に何かあればすぐに戻ってきてください。」


「うん。わかった。」

クロエの頭を撫ででセイは穴に入っていった。



「お、おい!」

セイを見送った二人の後ろから声がかかる。


「何してるんだ!あんな少女一人を行かせて!」


現れたのはカイトだった。

『監視役だった彼が声をかけてくるとは。』


「試験のためですが?」

クロエが冷たい声で言う。


「試験のためなら何でもいいとういのか!?あの少女が死んでしまうかもしれないのに!」



「その試験内容を決めたのはそちらでは?」



「そうですよ。じゃなきゃ僕たちはこんなところに来ていませんから。」


怪訝そうな顔のクロエと、笑顔を見せているが目が笑っていないレン。


「そ、それは…」


カイトが二人にたじろいでいる時、ゴゴゴ…と少し地面が揺れた。



「よいしょ。」


小さい穴からセイが出てきた。


クロエが穴から出てきたセイに手を差し出し起こした。

そして膝と手、服についた土をタオルで拭いた。


「早く戻られてよかった。試験は一旦中止だ。先ほどの揺れの原因を調べなくては!あなた方はすぐにここから離れてください。」

カイトがそう言って立ち去ろうとした時、


「さっきのは私がこの洞窟内を埋めたせいだと思う。」

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