第21話


セイ達三人は目的の場所に近い入ってきた門とは真逆の門から出て1時間ほど歩き、山についた。


もう夕暮れが近づいてきておりうっすらオレンジがかった空になっている。


ぐぅ…。とセイのお腹の音がなる。


「今日はここで一晩過ごそっか。」

少し開けた場所を探し、そこにインベントリからテントを出した。

もちろんカイトに見られていることを考慮し、カバンの中から出したように見せかける。


小さいテントの模型のようなものを地面に置き、セイが魔力を込めると瞬く間に大きなテントへと変化した。


「素晴らしいです、セイ様。」

クロエが尊敬の眼差しで言う。


「さすがセイ様ですね!」

いつもと違うニコニコのレンが言う。


どうやらレンは他の人が見ている前ではこういうキャラでいたいみたいだとセイは察した。


「では、私が料理を作りますね。」

クロエがテキパキと自身のカバンの中から食材を取り出して料理を作っていく。


ある程度の調理道具はテントとセットになっていたため問題なく料理は作られていった。


ごろっとした肉と野菜のスープが完成し、それとパンを受け取る。

「はい、セイ様。熱いのでお気をつけ下さい。」


セイは口にスープを運ぶ。


「ん。…美味しい。」


「ありがとうございます。セイ様に喜んでいただけて私は幸せです。」


今まで食べた中で一番美味しいと思うくらい、クロエの料理の腕は一流だった。

レンもあまりの美味しさに感動していた。


食べ終えて片付けを済ませテントの周りを囲むように魔獣避けを置いていく。


そしてテントの中でセイは眠りについた。


クロエとレンは念のため交代で眠ることにした。

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