第16話


「つまり、セイ様からの恩恵を受けたけどその力が大きすぎて体に限界が来そうになり気を失ったのか。」


「そんな感じ。」


確かに力が溢れてくる感じだ。今なら前の倍以上の力を発揮し戦うことができる。だがこれはただの恩恵だ。恩恵でこんな力…セイ様本人は一体どのぐらいの力があるのか…。想像するだけで身震いする。それに…



「このベッドはどこから…」


部屋にベッドは一つしかなかった。

ベッドは追加で借りることもできないと聞いていたし…


「私がインベントリから出したんだよ。ほら。」


と言ってセイが今度は何もない空間から座り心地の良さそうなソファーを一つ取り出しそれに座った。


レンは固まる。


え!?何もない空間から?普通はカバンや箱の中などに空間拡張魔法が施されていて、その中から取り出すのが一般的だ。なのにこの人は…


「二人には見せてもいいかなと思って。ある程度私の力を把握してもらったと思うし…」



「そ、そんな強大な力があるのに…僕たちしか知らないんですか…セイ様のことを…。」


「うん、そうだよ。それと私と魂の契約を結んだことによって二人とも生命力が私に引っ張られちゃうけど許してね。」


「それって…つまり…」


「そう、不老長寿。末長くよろしく。」


「えぇー!?!?!?」


「っうるさい…。」


レンの大きな声でクロエも目を覚ました。


「クロエ!!セ、セイ様がとんでもない力で!俺たち不老で!!」


ゆさゆさとクロエの肩を掴んで揺するレン。


「揺するなっ!とにかく落ち着いて話してくれ。それにうるさいだろう。セイ様にご迷惑をかけるな。」


そう言われ少し落ち着きを取り戻したレンがクロエに全てを話した。

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