第15話
二人はセイの前に膝をつく。
「我、クロエは主人、セイ・レクチュアー様と魂の契約を結ぶ。」
「我、レンは主人、セイ・レクチュアー様と魂の契約を結ぶ。」
順番にそういうとそれぞれの心臓があるあたりがぽわっと光る。
その状態でセイが自分の指に傷をつけ血を一滴ずつ二人の口に垂らした。
セイの血をごくっと飲み込む。
そして心臓のあたりで光っていた光は消えていった。
「これで終わり。二人とも大丈夫?」
「特に…」
レンがそう言った瞬間、ドサっと横にいたクロエが倒れた。
「お、おい!」
クロエの状態を確認しようとしたがレン自身も激しい目眩に襲われ意識を失った。
「恩恵に耐えられなかったのかな。」
セイは何もない空間、インベントリから自身の力を抑えるための指輪を取り出す。
それを二人の左人差し指にはめた。
さらにインベントリからベッドを取り出し、元々あったベッドの横に並べる。
浮遊の魔法で二人をベッドに寝かせ、セイは食べ物の買い出しに向かった。
外に出て少し歩くと市場のような場所があり、食べ物や武器、日用品まで幅広く売られていた。
とりあえずの腹ごしらえで、串焼肉と美味しそうな焼き立てのパンを買った。
かるーく他にどんなものが売っているのかを見て部屋に戻った。
戻ってくるとレンの目が覚めたところだった。
「ん…。」
あれ…どうなったんだ…
横を見るとクロエがまだ寝ている。
反対方向を見るとセイがこちらに寄ってきた。
「指輪をしたからもう大丈夫だと思うけど…どう?」
指輪?
レンは自分の指にはまっている指輪に気づく。
そして上半身を起こして何が起きたのかセイに聞いた。
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