第13話


ここまでの経緯や、不老長寿で300年前からつい最近まで眠っていたこと、自身のステータスについても。

そして、

「二人の名前も考えたんだけど、世話役の貴方はクロエ。用心棒の貴方はレン。どうかな?もし名前があるなら教えて欲しい。」


奴隷には主人が名前をつけてあげてくださいと奴隷商が言っていたが、もし名前があるならわざわざ変えなくてもいいと思っていた。



「ありがとうございます!私はその名前とても気に入りました。では、私はクロエ。数々のお屋敷で執事として働いていた経験があります。身の回りのお世話や料理、後は計算等も得意としております。ですが…昨日の失態のとおり戦闘が一切できません。訓練を受けたこともあるのですが…ダメでした。」



「ぷっ…あのフルスイング…思い出してまた笑えてきちゃったよ、くくくっ!」


「誰にも得意なこととそうでない事があるよ。」


「ふーん、でもセイ様は無いよね?そんな完璧なステータスならさっ。」


「セイ様に向かってなんてことを!」


「いいのいいの。そんなことないよ。私は計算とか…苦手だし、だらしないよ。」


「あっそ。…僕もその名前でいいよ。僕は人間族と獣人のハーフ。多分割合的には人間族の血の方が濃いかな。ま、戦闘なら任せてよ。…でも、セイ様はそんなに自分のこと話して良かったわけ?話を聞いただけでも一国家潰せちゃうくらいの力があるよね?その情報を国に渡して自分の身分を国に保証してもらうとか考えるかもよ?僕。」



「な!?」

クロエは怒りの表情を見せる。


「確かにそうなったらややこしいけど、私自身の話をしたのは信用してもらうため。現状私にはクロエとレンしかいないからね。もしレンが逃げて私の情報を国に言いそうになったら…レンの中の私に関する情報は全て消すかな。」



ゾクッ

ニコッと笑ったセイの顔を見てレンは身震いした。


「あーはいはい。僕の負け。」


「さて、じゃあもう一個話があるんだけど。二人の首の枷を取ろうと思う。でもそれには条件があるの。魂の契約を私と結んでもらえないかな。」


「え!?」

すぐ反応したのはレン。

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