第11話
「じょ、冗談だよね?貴族じゃないの?」
明らかに動揺している。
は?これからしばらくは贅沢をしてそれから殺して逃げようって思ってたのに。
「貴族じゃないよ。そもそもこの国の住人じゃない。」
二人は無言で驚きの表情をしていた。
そして…
バシッ
金髪の男の子がセイの首を掴んでベッドに押し倒す。
「はっ、ならここでさっさと殺して逃げよーかな。最後に顔くらいは見ておくよ。」
そう言ってセイのフードを外す。
パサッ
そして二人は息を呑む。
綺麗な銀髪、吸い込まれそうな綺麗な瞳。見た目は幼い10代の女の子。
なぜが神々しい雰囲気を感じ、そのギャップもあり、見つめられると体が動かなくなった。
セイはじーっと見つめる。
な、こいつは何なんだ。
今まで見てきた人間族とは何か違う…
セイは首を抑えていた手を掴んで横にずらすと、簡単に手は首から外れた。
「で、ご感想は?」
セイがそう問う。
すると押し倒していた金髪を押し飛ばし紺色の髪の人がさっとセイの手を掴んで起こし、両手でぎゅっとセイの手を握った。
「ご主人様…一目惚…。私はご主人様のためならこの命、惜しくはありません。」
キラキラと熱のこもった目でセイは見つめられている。
「ありがとう?」
「いえ、感謝するのは私の方です。こんな私を買っていただきありがとうございます!身の回りのことでしたらお任せください。これからも末長くよろしくお願いいたします。」
急に変わった態度に驚きつつもその感情が嘘ではないことがセイにはわかった。
「ってーな!」
押し飛ばされて頭を打ったのか、額を抑えながら金髪の男の子が立ち上がる。
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