第8話


そう言って店の男は奴隷を檻の中から出した。手、足、口、に枷が付けられている。目の部分だけの面をつけていて、本来目がある部分には小さな穴が空いている。

視界も制限されているのだろう。


「では次に用心棒ということでしたが…強いものほど犯している犯罪が酷い者が多いですが…どうしますか?」



「とりあえず、見てから決める。」


わかりましたと言ってさらに地下に降りていく。


「ここは最も酷い犯罪を犯した奴隷達がいます。その分腕は保証しますが…」


先ほどと同様に一人一人見ていく。



「この人は?」


「えーっとこいつは…げっ、何度も何度も主人を殺して逃げていますね。再度捕まえようとした際に何人も犠牲になったと。」


うちでの売れ残りNo. 1だ…全く。こんな商品受け入れるんじゃなかった。見た目がよくてもな…管理費だけがかさんでいく。流石にこいつは選ばないだろう。



「じゃあ彼で。」



「え!?本当に宜しいんでしょうか?言ってはなんですが…」


「私が決めたからいいの。」



「は、はぁ。あ、ありがとうございます!では手続きの方へ参りましょう!」


この令嬢が気が変わらないうちにさっさと契約、契約。



地上階に戻って全ての手続きを完了させる。

金額は2ゴールドと60シルバー。売れ残っていたせいもあり格安の値段だった。


「ではこれで全ての手続きが終了しました。こちらのボタンを押せばこいつらの枷が外れる仕組みになっております。首の枷は外れないのでご心配なく。こちらの指輪はいうことを聞かない時にお使いください。首から気絶するほどの電流が流れる仕組みになっておりますので。」


「ではありがとうございました。」


店の人に見送られ、二人を連れて近くの宿屋に入った。

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