第6話


「でも私が買えるのはその人達くらいでしょ?場所を教えて…」


セイは思いっきり困った表情でルシウスを見る。



「仕方ないな…カイル、身分証を…」



「もうできてますよ。どうぞ。」



「お、おう。さすが仕事が早いな。」

そう言ってセイに細長めの金属でできた板を渡す。


「これが身分証だ。無くさないようにな。無くしたらギルドってところで再発行できるが金がかかるぞ。いい額するから気をつけな。」


「それと名前の表記ですが、このフルネームですと隣国の聖女様と同じで問題に巻き込まれる可能性があるので、セイとだけ記載しています。名前に性がなくても問題はありませんので。」



「ありがとう。」


両掌でそれを受け取った。



そして犯罪奴隷の売買場までの地図をもらいセイは二人に挨拶をして駐屯所を後にした。




「カイル。あの少女のことをどう思う?」


セイを門で見送った二人が話す。


「そうですね、本人は貴族ではないと言っていますがどうでしょうか。」


「だな、それに言うの忘れていたがセイに指先で摘まれた剣を俺は動かすことができなかった。」


「えぇ!?それは結構重要な情報では…」


「だはは!だよな!でもあの子から悪い感じはしなかったんだよ。」


「はぁ…上に報告するべきでは?」


「そうだな、ゆっくり報告書作ってくれ。」


「はいはい。そうしますね。」

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