第5話


「つまり、なんだ…セイは一人であの森に住んでいて、貴族とは関係なく、不老長寿で昔は森が今の状況ではなかったと…」


うんうん。と頷くセイ。



受付台側から出てきた男はカイル・ミューヘン。優しい雰囲気がある金髪が特徴的な男で受付兼、副隊長みたいだ。


「魔法であなたを調べさせてもらっても?」


カイルは相手の能力を見る鑑定が使えるようだ。


「いいよ。」


そうは言っても全てを見せないようにセイは魔法で隠す。


「ではいきます。…汝われの前に本当の姿を…鑑定。」

パァッとカイルの手が光り、その光がセイを包む。



「おお!本当に不老長寿です!その他能力も平均値より高いですね。…ありがとうございます。」


「そうか、王族でも貴族でもない不老長寿の人間族は珍しいからな。」


「では最後に…こちらの球体に血を一滴いただいてもいいでしょうか。」


「これは?」


セイも初めて目にする白っぽい球体で、ガラスではなく石に近いものだなと判断する。


「これは危ない人かどうかを確認する装置ですよ。悪い人たちはここに登録されているのですぐわかる仕組みです。問題ないと思いますが念のためお願いします。」



なるほど、そうやって確認できるのか。


「どうぞ。」

と手を差し出す。


あっさり手を差し出したセイに二人は目を開く。


「すごいですね、大抵の子どもは痛いのが嫌で怖がるんですよ。あ、でも不老長寿でしたね。」


ははっと笑ってセイの指にツンっと針を当て血を一滴垂らす。



「はい、確認したところ何も問題なさそうです。」



「よかったな。それでこれからどうするんだ?金はあるのか?」



「うん、お金はあるんだけど私は見た目が子どもだから、色々と面倒になりそうなの。だからお金で人を雇おうかと。」


うーんとルシウスは考える。


「ちなみにどのくらい持ってるんだ?」


セイは3を指で作って見せる。


「それだと…ずっと雇うのは難しいだろうな…犯罪奴隷なら買えるが…」



犯罪奴隷制度があるんだ。


「それでいいよ。」


「え?しかしな…枷があるとはいえ危ない奴らだ。」

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