第4話


中には、外から上部分が見えていたが、石造りの建物が建っていて上部分は兵士が辺りを見渡し常に警戒できるようになっている。

馬から降ろされ、ルシウスの後ろについて歩く。


建物の扉を開けてすぐには受付台がありペンを持った男がこちらを見た。


「お疲れ様です。ルシウス。何かあったみたいですが問題ありませんでしたか?」


柔らかい声で男がルシウスに話しかける。


「あぁ、実はな森からすぐ出たところで少女を保護した。…ほら、」


そう言って後ろにいたセイを見せた。


「少女が森の方に向かっていると言う報告は受けていませんが…」


「違うんだ、それが森から出てきたんだ。」


「にわかに信じがたいですね…あの森は入ると、入ったところに戻され魔力が枯らされてしまうのに。」


「そうなんだ。枯れてしまうと命にも関わる。だから警備は厳重にしているはずだが…この少女は森から。」


二人はセイを見て考えた。


「あの、大戦争が起きたのはいつだったかわかる?」



急なセイからの質問に疑問に思いながらもルシウスは答えた。


「あーあれは確か300年ほど前の出来事だったな。それがどうかしたのか?」



300年。私が眠ってから300年たってしまったのか。



「んーん、なんでもない。」


「そういえば、お名前を聞いてませんね。あとお顔を見せてもらえますか。」


優しく子どもに言うように受付の男が言う。



「名前はセイ・レクチュアー。」


そう言ってマントのフードを外す。



セイの顔を見て二人は驚く。

こんな綺麗な顔をした少女は見たことない。



「な、これは。どこかの貴族の令嬢か…」



「そうかもしれませんね。」


セイは特に反応は見せず、静かに二人の反応を見て、聞かれたことに答えた。

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