『へんのや』に関する覚書
尾八原ジュージ
『へんのや』に関する覚書
2023年6月14日に完結した『へんのや』ですが、例によってプロットなどもなく、行き当たりばったりで書いていたため、途中で方向転換したり色々やらかしていました。
こちらはそういったことに関する覚書です。なお、大いにネタバレを含みますのでご注意ください。
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・ここまで長編連載は『みんなこわい話が大すき』から始まる「よみご」シリーズのみだったので、今回は別のものをやろうと思っていた。そこで、よみご及び同シリーズの登場人物は出さないようにしようと決めた。
・でも過去作から誰か引っ張ってきた方が楽なので、『腹ぺこありちゃんは何でも食べる』および『冷たいドライブ』に登場した「トーヤさん(くん)」を出すことにした。名前に漢字を当てたかったので「塔矢」としたが特に理由はない。過去作から悪い奴だったので、彼なら本作で死んでしまってもよかろうと思って採用した。『へんのや』作中にこの二作品のエピソードを入れることもできて楽しかった。
・連載が始まったとき、「塔矢さん」という名前から過去作を思い出してくださる方も多く、大変嬉しかった。なお『腹ぺこありちゃんは何でも食べる』については、残酷表現がカクヨムの規定に引っかかってしまったために、現在はpixivにR-18Gの表記つきで転載されている。『冷たいドライブ』は以下。
https://kakuyomu.jp/works/16816927860359150293
・『巣』のような曰く付き物件ものをやりたかった。普通の家族を出すと同作と被ると思い、シェアハウスにすることにした。
・第一回目を書いたところでは、とりあえず上記のことしか決まっていなかった。
・『へんのや』というタイトルはTwitterの下書き(時々メモ代わりに使っている)に書かれていた。「なんとなくホラーのタイトルっぽい四文字」というだけのものらしい(記憶が曖昧)。なんとか回収できてよかった。
・前回連載『白は日の色』は男性主人公から始まっていたので、今回は女性主人公から始めることにした。どういう人物がいいかは決めていなかったが、とりあえず若い女の子がいいなと思ったので、わりと安直に和氣ふみかが生成された。他キャラクターとの差別化のために珍しめの名字がいいと思った。名前は好きな響きのものに。
・一人だと身軽に行動できてしまうので、妹を養わなければならないという縛りを課すことにした。姉妹なので名前に関連性をもたせ、「いい子だけど不器用すぎて放っておけない」という特性を付与した。この時点ではまだ死ぬと思っていなかった。
・佐久間楓は三文字の名字がいいという理由で命名。ただ普通の名字すぎて、後々ひさしぶりに名前が登場した際、彼女のことを思い出せなかった方もおられたらしい。無理もない話なので、再登場時にもうちょっと説明を足せたらいいなと思う。ふみかよりももう少し事情を知っていそうな優しいお姉さんということで、色々教えてくれたり住環境を整えたりしてくれて便利だった。
・とりあえず佐久間に女の子の幽霊を取り憑かせたが、この時点ではどういう来歴の子か決めていなかった記憶がある。この家にいた子でもいいし、佐久間に元々憑いていたものでもいい。のちのち決めようと思っていた。
・ふみかの枕元に出た女は、登場時点ではふみかの生霊とは決まっていなかった。
・家の窓に板を打ち付けるなどして、中から覗かれないようにしていたのを終盤まで忘れており、回収できていない。多分能間緋紗子がこっそり出入りしていたのではないか? そういえば彼女がどうなったかもちゃんと書いてない気がするので何とかしたい。とりあえずすでに故人のはず。
(2023年6月19日追記 板で窓がふさがれてた件、回収が難しかったのでまるっと消してしまいました。すみませんがご了承ください。能間緋紗子についても少々追記しました)
・塔矢はもっとシェアハウスでの生活に入り込んでくる予定だったが、日常パートが続いてしまいそうだったので事件を起こした方がいいと思い、佐久間が死ぬことになった。
・最初の章を書いている途中で「へんのや→呪い返しの家」みたいなことを考え始めてはいたが、もうちょっと捻れないかなとも思っていた。結局捻れなかった。とりあえずこの方向でタイトル回収できるよう、ふみかに「誰かを呪ったことがある」という属性が追加された。
・視点を切り替えたくなったし、佐久間の死後住人が和氣姉妹しかいなくなったので、もう一人追加することにした。性別は反対に、姉妹と仲良くしてほしかったので同世代ということにして、奥田和馬が生成された。名前はなんとなく。彼については、どの程度塔矢よりの人物にするか迷った。ふみかと何かしらつながりが欲しかったので、彼女が呪った人物の弟ということにした。奥田兄(蓮見政彦)がしょうもなさすぎてふみかと奥田が憎み合うことはなく、予想外に仲良くなってくれた。
・とにかく進行がギリギリだった。更新前夜に何を書くか決まっていないことも多く、寝落ち寸前まで書いたりしていたので、さすがにもうこれ以上のギリギリはないはず。ないと思いたい。これで日刊のペースを止めたら今度こそエタると思った。「ペダルが壊れてるけど一応走ってるから倒れてない自転車」みたいな進行の仕方だった。
・屋根の上にいるものについては、ラストぎりぎりまで外見が決まっておらず焦った。「見る人によって違う」など色々考えたが最終的にあんな感じに。
・途中で「霊能者ポジションの人がいないとやっぱり辛い!」と思って能間が登場した。自分についてあまり多くを語ってくれない人物だが、緋紗子の次男で塔矢の弟という点は確定でいいと思う。突然の個人情報! という感じなので、塔矢の台詞に「弟がどうこう」みたいな記述を足せたらいいなと思う。
・塔矢が登場人物ほぼ全員に憎まれてくれたのが物語のエンジンになって、なんとかオチまでたどりつけたと思う。かなりヘイトを買っていたので、彼をキッチリ惨死させてハッピーエンドに持ち込みたいとも考えたが、やはり簡単に死ぬ器ではなかった。今後もうっかり出てくるかもしれない。
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2023年6月15日現在、とりあえずはこんな感じでしょうか……何か思い出したらまた追加したいと思います。
『へんのや』に関する覚書 尾八原ジュージ @zi-yon
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