珠鈴への誕生日プレゼント
今日は珠鈴に催眠術をかけられる事もなく、学校が終わって放課後になった。
ただ、珠鈴は今日ずっと私のことを意識してくれてたと思う。
いや、自分で言うのもなんだけど、意識自体はいつも意識してくれてると思うけど、今日はいつも以上に意識してくれてた。
だって、授業中、常に珠鈴から視線を感じるんだもん。正直勉強の方は大丈夫? ってちょっと心配になったくらいだもん。
と言うか、よく先生にバレなかったな。
まぁ、もう過ぎたことだし、私からしたら今日は帰ってからが本番なんだから、別にいいか。そんなこと。
「り、璃花、帰ろ?」
そう思っていると、珠鈴が緊張した面持ちでそう言ってきた。
「……ん」
そんな珠鈴に緊張しながら、私も頷いた。
「……入らないの?」
そして、家に着いた私は、自分の緊張を隠しながら、珠鈴にそう聞いた。
「は、入るよ。お、お邪魔します」
いつもならこのまま私の部屋に案内するんだけど、今日はケーキがあるし、私はそのままリビングに珠鈴を案内した。
よ、よし、まずは、誕生日を祝おう。告白や珠鈴にこの前言ったご褒美は後。
「……ちょっと待ってて」
「う、うん。分かった」
普通だったら誕生日を祝うのも緊張するんだろうけど、清松はこの後にもっと緊張することが待ってくから、私は自然体でそう言って冷蔵庫に向かった。
この前買ったプレゼントは珠鈴にバレないようにもうリビングに置いてあるから、大丈夫。
「珠鈴、誕生日おめでとう。これ、プレゼントね」
そして、ケーキを持ってきた私はそう言って、珠鈴にプレゼントも渡した。
さっきも思ったけど、こういうのは早い方がいい。
私は臆病だから、怯えちゃう前に、覚悟がある今のうちに早く渡しとくほうがいいしね。
「え? あ、え? あ、ありがとう。これ、開けてもいい?」
珠鈴がびっくりした様子を見せてきながらも、嬉しそうに、笑顔でそう聞いてきた。
良かった。喜んでくれてるみたいで。
「ん、いいよ」
私がそう言って頷くと、珠鈴は丁寧に私があげたプレゼントを開け始めた。
別に雑に開いてくれても良かったんだけど、なんか、珠鈴が私のプレゼントを丁寧に開けてくれてるってことが嬉しい。
「可愛い……ありがとね、璃花。一生大事にするよ」
私がそんなことを思っていると、プレゼントを開け終わった珠鈴はそう言って私があげたクマのぬいぐるみをギュッ、としていた。
……可愛い。クマのぬいぐるみももちろん可愛いんだけど、クマのぬいぐるみをギュッ、と抱きしめてる珠鈴が可愛すぎる。
「……喜んでくれたのなら、良かった。それじゃあ、ケーキ、食べよっか」
「うんっ」
そんなことを思いながらも、内心にはそんな感情を一切出さないようにして、私たちはケーキを食べ始めた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
あとがき。
ほんともう遅くなりすぎてしまい申し訳ありません。
楽しみにしてくれている方もいると思いますので、更新頑張ってきっちりと完結させていただきます。そこはご安心ください。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます