重い女

「ん……珠鈴……」


 アラームで目を覚ました私は、珠鈴の夢を見ていたからか、目が覚めるなり、珠鈴の名前を呼んでしまった。

 ……夢の中でも、珠鈴のことを考えてるなんて、もう私、本当に、一日中珠鈴のことを考えてるじゃん。……これは流石に重い、でしょ。

 はぁ。さっさと朝ごはんでも食べて、学校行こ。

 

 そう思いながら、なるべく、これ以上重い女にならないように、珠鈴のことを考えないようにしながら、私はリビングに向かった。

 そして、適当なパンを手に取って、お茶を飲みながら、それを食べた。

 

 よし、朝ごはんも食べたし、もう、早く珠鈴に会いたいから、学校行こっかな。

 ……あ、その前に、珠鈴の下着と服を何か袋に入れて、持っていかないと。

 袋……袋、あ、これでいいか。

 そう思いながら、私は中が見えない袋を手に取って、乾いてる珠鈴の服と下着を取り出した。

 ……もう、洗ってあるんだから、さっさと袋に入れよう。


 変なことを考えないように、袋の中に珠鈴の服と下着を入れた私は、玄関の鍵を閉めて、いつもより早めに、家を出た。

 するとその瞬間、珠鈴からメッセージが着た。

 

【学校一緒に行こ】


 ……行きたい。珠鈴と一緒に学校、行きたい。

 でも、もう私は外に出てるし、今、私はかなり重い女みたいになってるから、学校で、心の準備をしながら、珠鈴が来てくれるのを待ちたい。

 

【今日は無理】


 そう思って、私はそんなメッセージを送った。

 

【なんで?】


 すると、直ぐに既読が着いて、そんなメッセージが送られてきた。

 ……理由はあるけど……正直には、言えない、よね。……もし、正直にそんなこと言っちゃったら、もう、それは告白してるようなものだし。


【秘密】


 そう思って、私はそんなメッセージを送った。

 こんなことを言ったら、珠鈴は、少し、不安がるかもしれない。

 でも、三日……いや、昨日の内で三日だから、後、二日の辛抱だから。

 

 そうして、スマホを気にしながら学校に向かって歩いていたんだけど、珠鈴から、返信が来ることは無かった。

 ……まぁ、いいや。どうせ、直ぐに珠鈴も学校に来るだろうし。

 珠鈴を待っている間は、ゲームをして、少しでも、今の珠鈴しか考えられない頭をどうにかしよう。

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