昨日の私そのものだと思うし
「じゃあ、もう一回、しよっ」
もう罰ゲームは終わる。
私がそう言うと、珠鈴は分かりやすく、物足りなそうな顔をして、そう言ってきた。
多分、もう一回ゲームをしよって言ってるんだと思う。
私はそれを理解した瞬間、スマホを取り出して、時間を確認した。
ゲームは私も好きだし、それ自体は別にいいんだけど……もう、こんな時間だ。
……起きたのがお昼だったし、珠鈴との時間が楽しかったから、時間が経つのがだいぶ早く感じるけど、仕方ないな。
「珠鈴、時間が時間だから、もう帰ろ? 送っていくからさ」
「え、も、もう?」
「暗くなったら、危ないから」
ただでさえ、珠鈴は……と言うか私もだけど、下着を着けてないんだから、早く帰った方がいいに決まってる。
「で、でも、璃花……こんな、状態、で?」
……なんとなく、珠鈴の言いたいことは分かる。
昨日の私そのものだと思うし。
だから、それも仕返しだ。
「んっ」
そう思って、私は珠鈴が何を言ってるのか分からない振りをしながら、頷いた。
すると、珠鈴は急に、私に抱きついてきて、服の上からでも分かるように立っている珠鈴の胸の部分を私に押し当ててきた。
「ほ、らっ、着替えてくるから、待ってて」
「ぁ」
このままだと、私はまた、昨日みたいに我慢できなくなっちゃうと思って、私はそう言いながら、珠鈴が痛くないようにしながらも、無理やり、珠鈴から離れた。
流石に、外に出るんだから、下着、着けないと。
もし、外で胸を触られたら、着けてることがバレちゃうけど、その時は、もう仕方ない。正直に、言うしかない。
そう思いながら、下着を着けた私は、珠鈴のいるリビングに戻ってきた。
「珠鈴、行こ」
「ぅっ、ん」
あの時の私も、こんな感じだったのかな。
……そうだとしたら、本気で気がついてなかったと思う珠鈴に言いたいことは色々あるけど、もういいや。
そう思いながら、珠鈴と一緒に玄関で靴を履いて、私達は家を出た。
そして、私はちゃんと鍵を閉めてから、珠鈴の隣に並んだ。
「危ないから」
そのままそう言って、私は珠鈴の手を握った。
危ないっていうのは流石に無理があるのかもしれない。でも、今の珠鈴が危ないっていうのは本当だし、別にいいでしょ。
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