珠鈴が掛けたんでしょ

 私は珠鈴が密着して座ってきたのを気にしないで、珠鈴が作ってくれた朝ごはんを食べ終えた。


「ごちそうさま。……作ってくれて、ありがと」


 そして、私は改めて珠鈴にお礼を言った。

 

「大丈夫、だよ。璃花のためだし、美味しかったなら、良かった」


 すると、珠鈴ははにかみながら、そう言ってくれた。

 そして、珠鈴も朝ごはんを食べ終わったみたいで、そのまま、食器を持っていってくれた。

 

「あ……ありがと。洗うのは、私がやるから」

「うん」

 

 そして、私は珠鈴にお礼を言ってから、珠鈴が食器を持っていってくれている間に、ソファに移動した。

 すると、帰ってきた珠鈴は、さっきと同じように、私の隣に座ってきて、体を密着させてきた。

 ……さっきまでは、寝起きっていうのと、朝ごはんに集中して、特に気にするようなことはなかった……というより、気にしないようにしてたんだけど、私、昨日、珠鈴と色々、エッチなこと、したん、だよね。

 ……そう思うと、急に、恥ずかしくなってきた。

 しかも、今は私も珠鈴も下着を着けてないし、余計に、意識しちゃう。

 

「……璃花、えっと、なんで、下着、着けてない、の?」

「え?」


 それは、普通に催眠術のせいだけど。

 と言うか、珠鈴が掛けたんでしょ。

 ……なのに、なんで、そんなこと、聞くの。


「いつもこう、だから」

 

 そう思いながら、普通のことってことになってるんだから、私はそう言った。

 

「で、でも……う、うん。そう、なんだ」


 すると、珠鈴は一瞬何かを言いかけたけど、特に何も言ってくることなく、頷いてきた。

 よく分からないけど、ちゃんと、催眠術に掛かってるフリは出来たし、別に気にしなくてもいい、かな。


 そう思ってると、珠鈴はそのまま私に抱きついてきて、小さい胸を私に押し寄せてきて、また、私の胸を触ってきた。

 

「んっ」


 ……また、そんなにいきなり。……しかも、昨日は色々やったんだから、余計、恥ずかしいし。

 ……そう思いはしても、催眠術に抵抗できないし。


「みっ、みすずっ、ゲーム、しないっ?」


 だから、私は咄嗟にそう聞いた。

 最近は使ってなかったけど、ゲーム機くらいは持ってるし。


「え、う、うん。いいよ」


 すると、珠鈴は一瞬びっくりしていたけど、直ぐに頷いてくれた。

 よし、これで、もう胸は触られない、はず。

 そう思いながら、力が抜けかけてる体でソファから立ち上がって、ゲーム機の電源をつけた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る