そう決めてたのに
「ん……」
そういうことは、付き合ってから。
そう決めてたのに、私の方から……って訳では無いけど、珠鈴と色々しちゃった……
服を脱がされてて、ほぼ全裸で目を覚ました私は、目を覚ますなり、そう思って後悔……はしてない、かな。……珠鈴が変な勘違いをして、こんなことまでしたのに私の気持ちに気がついてないことはどうかと思うけど、後悔はしてないな。
そう思いながら、私は隣に寝ている同じくほぼ全裸の珠鈴をそっと抱きしめた。
まだ、寝てるし。……いや、別に起きてても、抱きしめたけどさ。
「んぅ……り、っか?」
すると、珠鈴はちょうど、目を覚ましたみたいで、今の状況に困惑したように、私のことを呼んできた。
……裸で、抱きしめてるんだ。これで、ちゃんと私の気持ちに気がついてくれる、よね。
「ん、そっか、こんな催眠術、掛けてたっけ……えへへ」
……はぁ。
もういいや。それで。……いつかちゃんと、私の気持ちを言うつもりだし、それまでは、もう、勝手に変な勘違いをしてたらいいよ。
「りっかぁ」
そう思っていると、珠鈴はまだ寝ぼけているのか、私の胸に顔を埋めながら、私を抱きしめ返してきて、眠りについていった。
……可愛い。
どうせ、今日も休みだし、私ももう一回寝よっかな。
そう思いながら、私は改めて珠鈴のことを軽くギュッとした。
珠鈴の人肌が暖かくて、気持ちよくて、私はすぐに眠りについた。
「ん……」
そして、何かが私の腕の中で動いているような感じがして、私は目を覚ました。
そして、直ぐに困惑している様子の珠鈴と目が合った。
「そ、そっか、さ、催眠術、掛けたんだった、ね」
……結局、そこにいき着くんだ。
と言うか、小声で言ってるから、聞こえてないと思ってるのかもしれないけど、めちゃくちゃ聞こえてるよ。
そもそも、こんなにくっついてるんだし、聞こえないわけないでしょ。
まぁいいけどさ。可愛いと思うし。
……取り敢えず、お腹も空いたし、もう起きようかな。そろそろ服も着たいし。……下着は着けられないけど。……あれ? 着けてもいいんだっけ? いつまでつけちゃダメなんだっけ。……珠鈴が家にいる間だった気がする。
「朝ごはん、作ってくるね」
そう思って、珠鈴から離れてベッドから降りた私は、下着を着けずに、服を着た。
その時、珠鈴は名残惜しそうに私のことを見て、何か驚いたようにしてたけど、別に気にせずに、そのままそう言って、部屋を出た。
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