そんなこと、言えない
「……珠鈴、入る?」
部屋に来た私は、直ぐにベッドに寝転んで、布団に入りながら、そう聞いた。
一緒に寝るって話をしてたんだから、わざわざこんな聞き方をしないで珠鈴が入ってくるのを待った方が良かったかもしれないけど、直前になって、恥ずかしくなってきてたから。
……この前一緒に寝た時は、全然こんな気持ちなんて湧かなかったのに。
なんで、だろ。……私が珠鈴のことを好きって自覚したから、かな。……あの時との違いなんて、それくらいだよね。
「う、うん」
そう考えていると、珠鈴は頷いて、ゆっくりと私のベッドに寝転んできて、私が入ってる布団に入ってきた。
……凄い、ドキドキする。……この前は、こんなドキドキなんてしなかったし、やっぱり、私が珠鈴のことを恋愛対象として意識してるからだ。
しかも、ただでさえ私は珠鈴のことを意識してるのに、珠鈴、下着着けてないんだもん。……いや、それは私もなんだど、私の場合は催眠術のせいだし、違うでしょ。
……珠鈴は、なんで着けてないの。……小さいとはいえ、珠鈴の柔らかいのが当たって、ずっと、珠鈴のことだけを考えちゃう。
「……璃花、今更だけど、私、下着忘れちゃったんだよね」
私がなんで珠鈴も下着を付けてないのかを疑問に思っていると、珠鈴は私の心を読んだかのようなタイミングで、私に抱きついて、胸を押し付けてきながら、そう言ってきた。
「そう、なんだ」
……それは、仕方ないと思う。忘れちゃったのは、仕方ないとは思うよ。……でも、なんで、胸を私に押し当ててくるの。……しかも、ブラもしてない、ノーブラの状態で。
……忘れちゃったのなら、むしろ、距離を取るでしょ、普通。
「……だ、だから、下も、着けてないん、だよ」
そして、さっきよりも恥ずかしそうにしながら、珠鈴は私の耳元でそう言ってきた。
そして、そのまま私に足を絡めてきた。
私が履いてるのはショーツだから、太もものところまで絡められて、珠鈴のことを嫌でも、そういう意味で意識しちゃう。
私はこれ以上は私の理性的にもやばいと思って、珠鈴から無理やり距離を取って、珠鈴の方に背中を向けて、何も言わずにもう寝るという意思表示をした。
すると、珠鈴はそのまま私の背中にくっついてきて、私の胸を触ってきた。
今は、抵抗したい。やめてって言いたい。……でも、催眠術で胸を触られることなんて普通ってことになってるから、そんなこと、言えない。
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